
2024.10
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「職人の朝は早い」。よく、ドキュメンタリーで耳にする言葉です。日本酒を造る蔵人の朝もまた例に漏れず早く、出勤時間が朝5 時台やそれより早いということも稀ではありません。
なぜ、日本酒を造るために、ここまで早く仕事を始める必要があるのでしょうか。現役蔵人の筆者が、自身の経験を例に混じえつつ解説していきます。
酒造りが早い時間から始まる大きな理由のひとつは、朝のまだ気温が上がりきらない時間帯に仕込みを済ませてしまいたいというものです。
蒸したてのお米は、麹米にするなら40℃前後の状態で麹室へ、掛米にするなら15℃前後にして仕込桶へ運びます。そのほか、山廃の酒母や留仕込の掛米はできる限り冷やす必要があるなど、用途によって目標温度はさまざまですが、いずれにせよ蒸し上げた米を冷ますのは、仕込みにとって重要な仕事になります。
つまり、冬の朝のまだ寒い時間帯に蒸米を冷ませば効率が良いということです。
