
日本酒ラベル そのデザイン変遷の歴史(前編) - 「美しさ」を目指した明治~昭和
筆者は「酒票」と呼ばれる日本酒のラベルが持つ美しさに魅せられ、その収集を始めて40年になります。これまでに集めたラベルの数は、1万5000~2万点程度になるでしょうか。これらの所蔵品を、広島県熊野町「筆の里工房」で日本酒ラベル展「酒票の美 - 文字と意匠」に出展しています(2021年11月7日まで)。
しかし近年、地酒専門店を覗いても、ラベルにときめくことが少なくなりました。どれも似たような顔で、色も絵柄も乏しく見えてしまうのです。味のあるラベルが、その美しさを競っていたのは、明治から昭和にかけて。なぜこのような変化が起きたのでしょうか、日本酒ラベルの変遷とこれからを考えてみます。
今回は前編として、日本酒ラベル発祥からの流れを、デザインを切り口にしてたどります。そして「日本酒のラベルはなぜ美しい(美しかった)のだろう」という素朴な疑問に迫っていきます。