定番酒への愛を熱く語る - 「交酒 花風」稲とアガベ(秋田県)

2024.10

22

定番酒への愛を熱く語る - 「交酒 花風」稲とアガベ(秋田県)

酒スト編集部  |  定番酒への愛を熱く語る

日本酒ファンにとっては、そのときしか買えない限定酒を買うのも楽しみのひとつですが、一方で、それぞれの酒蔵が看板商品としている「定番酒」を飲む機会は少なくなりがちです。

定番酒とは、その酒蔵の思想を体現しており、それゆえにロングセラーとして君臨しています。レア酒を追いかけるのもいいけれど、毎日飲みたくなるような定番商品への愛も広めたい! そんな想いからスタートしたのが、こちらの「定番酒への愛を熱く語るシリーズ」です。

今回登場するのは、秋田県・稲とアガベ醸造所の造るクラフトサケ「交酒 花風」。稲とアガベを愛し、クラフトサケの熱心なサポーターでもあるたろけんさんが語ってくれました。

※1 クラフトサケ:日本酒の製造方法をベースに、発酵段階で副原料を加える新しいジャンル。酒税法では清酒(日本酒)ではなく「その他の醸造酒」に該当する。

参考:

定番酒を探す中で、花風に出会う

SAKE Streetの不定期連載「定番酒への愛を熱く語る」シリーズを読んでいた私は、「こういう暮らしっていいなぁ。自分にも定番酒がほしいなぁ」と思うようになりました。そこで、自分が定番酒に求めるものとして、以下の条件を定めて探すことにしました。

・好きな酒蔵のお酒であること

・味わいの幅が広く、好みであること

・日常的に買い続けられる無理のない価格帯であること

しかし、いざ探してみると難航しました。私はクラフトサケをよく飲みますが、定番酒にするには少し高い。とはいえ好みの日本酒を見つけても、あまり知らない蔵のお酒だったりする。そんな中で、なかなか自分が定番酒にしたいと思えるお酒に出会うことができませんでした。

ちょうどそんなとき、2024年2月22日に、稲とアガベの代表・岡住さんによるX(Twitter)でのリリース発表で「花風」に出会いました。

岡住さんの投稿には、「花風は稲とアガベの定番酒としてリリースする」と書いてありました。価格もクラフトサケの中では比較的お手頃。そもそも、稲とアガベは私の大好きな蔵。きっと味わいも好みに違いない!

まさに、自分の中ですべてが繋がった瞬間でした。つまり、飲んでもいないのに、そしてあっという間に私の定番酒が決まってしまったんです。

ホップを使ったサケはもはやひとつのジャンル

花風は副原料にホップを使用しています。私は稲とアガベの看板商品「稲とホップ」をこれまで愛飲していたので、飲む前から味わいへの疑いはありませんでした。実際に飲んでみても、「これだ!」とすぐに馴染みました。

まず好きなのは味わいです。ホップを使ったサケは、どぶろくも含めて、もはやひとつのジャンルの飲み物として好きです。きれいな口あたりやグレープフルーツのような苦みと清涼感からは、スポーツドリンクを連想させられます。

稲とアガベのオウンドメディア「海と」のインタビューで、とある蔵人さんが、

「クラフトサケは日本酒の味わいより副原料が強く出てしまう印象がある。一方、ホップのお酒は、日本酒と副原料のどちらの特徴も活かされていて、クラフトサケだからこそ辿り着いた飲み物だと思わせるインパクトがある

というお話をしていましたが、私もこれに同意します。

次に、コンセプトも推せるポイントです。岡住さんは、このお酒、つまり量産できて価格も低いクラフトサケをリリースすることに、「クラフトサケを文化にする」という大きな志を掲げています。いちクラフトサケファン、いち稲とアガベファンとして、飲み続けることでその一助になれればと思っています。

クラフトサケは燗でもうまい!

飲み方は、基本的には冷やして、グラスに注いで飲んでいます。ただ定番酒は、限定品ではなく常に手元にあるお酒だからこそ、良い意味で遊ぶこともできると思っています。例えば冷酒と熱燗、常温放置と冷蔵保存、お猪口とワイングラス、他のお酒とのブレンド、お菓子、おつまみ、ジャンクフードなどとのペアリングなどなど。無数の遊び方を試すことで、花風のポテンシャルを引き出せられればと思います。

今のところおすすめなのは、温めて飲むことです。クラフトサケはフルーツをはじめ、さわやかな副原料がよく使われることから、冷やして飲むものというイメージがあるかもしれません。しかし、温めて美味しいものも結構あるんです。花風は、温めるとまろやかさが増し、ライチのような甘みがより出てくるように感じます。

ちなみに私の熱燗レシピはお猪口に注いで500W40秒ほどレンチンし、平杯に移すだけ。ズボラな燗付け方法ですが、私は好きです。

この定番酒シリーズは熱燗のエピソードがたびたび登場しますが、これを機に、「クラフトサケの熱燗もいいぞ!」ということは強く主張したいと思います。

歴史が長く、すでに定番酒のある酒蔵が多い中、そのリリースに立ち会えることはあまりありません。この幸運な機会を得た人間として、10周年、20周年、その先へ、花風の歴史と共に歩んでいきたいです。

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【シリーズ:定番酒への愛を熱く語る】
居酒屋ライマー もとじい:「上撰 白鶴 生貯蔵酒」白鶴酒造(兵庫県)

都内酒販店員 ぞぬ:「澤乃井 純米本地酒」小澤酒造(東京都)

定番酒への愛を語る - 「Beau Michelle」伴野酒造(長野県)

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