2022.05
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SAKE DIPLOMA(酒ディプロマ)とは? - 特徴やメリット、取得方法、試験内容を解説。ソムリエのテイスティング技術が学べる日本酒資格!
「SAKE DIPLOMA(酒ディプロマ)」とは、一般社団法人日本ソムリエ協会が認定する日本酒と焼酎の資格です。日本酒を中心に焼酎についても学べる資格で、日本の歴史や文化的な背景から、原料や製法などを含む幅広い知識が身につきます。
この記事では、SAKE DIPLOMAの概要や申込方法をはじめとしたSAKE DIPLOMA認定までの流れを解説します。
SAKE DIPLOMAの資格概要
SAKE DIPLOMAが誕生した背景として、2013年に日本の伝統的な食文化「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録され、世界的に日本酒の需要が拡大したことが挙げられます。日本酒や焼酎に関する深い知識を持つ人材を育て、日本の食文化をさらに普及させるため、2017年にSAKE DIPLOMAが発足しました。
SAKE DIPLOMAの試験で問われる知識とは
SAKE DIPLOMAは幅広い範囲から出題され、学習内容やテイスティング技術を深く理解していることが求められるため、難易度が高い資格だと言われています。日本酒の歴史や製造方法、生産地の特徴や料理との相性、テイスティングや論述など、優れたサービスを提供するために必要な知識が問われます。
また、日本酒だけでなく焼酎についても歴史や製造方法、料理との相性などの知識が必要です。
SAKE DIPLOMA International(酒ディプロマ インターナショナル)とは
SAKE DIPLOMAが発足した翌年の2018年には、英語による国際資格「SAKE DIPLOMA International(酒ディプロマ インターナショナル)」の試験がイギリス・ロンドンで実施されました。2022年秋にも日本、中国、台湾、アメリカ、ドイツで認定試験がおこなわれる予定です。
SAKE DIPLOMAはコンピューターを使用し、4択から選んで回答を入力しますが、SAKE DIPLOMA Internationalの筆記試験は、紙にペンで記述して回答します。もちろんすべて英語での回答となるため、日本人にとってはハードルが高い資格と言えるでしょう。
2022年5月現在、SAKE DIPLOMAの累計合格者数が5,257名なのに対し、DIPLOMA Internationalの累計合格者数は178名です。
SAKE DIPLOMA認定までの流れ
ここからは、2022年度のSAKE DIPLOMA認定試験の情報をもとに、資格を取得するための方法についてご説明します。なお、実際に申し込みされる際には一般社団法人日本ソムリエ協会の公式サイトで、最新の情報を必ず確認してください。
(1)受験資格と試験日程
受験資格は、基準日(受験する年度の8月31日時点)において満20歳以上であることです。国籍、職種、経験は不問なので、日本酒・焼酎に携わる仕事をしていない方でも問題なく受験できます。
試験は一次試験と二次試験で構成され、2022年度の出願期間と試験日程は下記のとおりです。
- 出願期間:2022年3月1日(火)10時 ~ 7月15日(金)18時まで
- 一次試験:2022年7月20日(水)〜8月31日(水)から選択
- 二次試験:2022年10月18日(火)
一次試験に合格して二次試験で不合格になった場合、一定期間(※)は一次試験の合格資格が残るため、次回は二次試験から受験できます。
※2019年度までに受験した方は、翌3年間(2022年度)までは一次試験免除/2020年度以降に受験した方は、翌5年間のうち3回まで一次試験免除
(2)申込方法と費用
協会のホームページから申し込みをします。募集要項の内容を確認したうえで、出願フォームに必要情報を入力してください。
一次試験から受験する場合にかかる費用は、以下のとおりです。一次試験は期間内に2回まで受験可能なので、受験回数で費用が変わります。
受験回数 | 会員価格 | 一般価格 |
---|---|---|
1回受験 | 20,380円(税込) | 29,600円(税込) |
2回受験 | 25,220円(税込) | 34,440円(税込) |
出願手続きと同時に協会へ入会する場合は、会員価格での受験が可能です。出願手続きと同時に入会しなかった場合でも、試験合格後は入会が義務となっています。入会する月によって費用が異なるのでご注意ください。
一次試験に合格し、二次試験から受験する方の費用は会員価格7,300円(税込)、一般価格14,210円(税込)です。一次試験免除で受験する場合、教本は付属しません。
(3)出題形式
一次試験は、コンピューターで解答する「CBT 方式」でおこなわれ、合否は試験終了直後に画面に表示されます。試験時間は60分間で、選択式の問題です。
日本ソムリエ協会が公開している模擬問題には以下のようなものがあります。
日本酒製造業界において、醸造用水の条件として細菌酸度は何ml以下が基準とされているか、次の中から1つ選び解答欄にマークしてください。
回答選択肢:①2ml/②3ml/③5ml/④10ml
②醪の日数(日順)を数える場合、1日目とする工程を1つ選び、解答欄にマークしてください。
回答選択肢:①踊り/②留添/③仲添/④初添
③吟醸造りの基礎を確立し、東広島で酒蔵を始めた天才醸造家を選びなさい。
回答選択肢:①三浦仙三郎/②竹鶴敬次郎/③坂口謹一郎/④清水屋忠兵衛
問題出典:日本ソムリエ協会「J.S.A SAKE DIPLOMA 模擬問題」
二次試験では論述試験とテイスティングがあり、それぞれ20分と30分の試験時間が割り振られています。論述は日本酒に関するテーマについて説明するもので、テイスティングは日本酒と焼酎から出題されます。
過去の論述試験では「生酛と山廃酛の現状と将来性」「生産地としての奈良県」といったテーマが出題されました。テイスティングでは、アルコール添加の有無や酒母の種類、使用した酒米など、特定の製法に該当するお酒を選んで回答します。
(4)合格率
2021年のSAKE DIPLOMA試験の合格率は44.4%です。受験者2,183人に対して、合格者は970人でした。2017年から5年間の平均合格率は41%です。
同じ日本酒資格である唎酒師の合格率は80%前後の高さと言われているため、難易度の高さがうかがえます。
唎酒師(ききさけし)とは? - 幅広い知識が学べる、知名度No.1の日本酒資格!
(5)公式教本やスクールで勉強できる
SAKE DIPLOMAの一次試験を申し込んだ人には、日本ソムリエ協会公式の教本が配布されます。教本には、日本酒の歴史や製造方法をはじめ、テイスティングや料理との相性などが詳しくまとめられています。 一次試験の問題はこの教本に書かれている内容に限定されるので、教本をいかに読み込むかが認定への近道です。教本だけを購入することも可能なので、ひとまず学習内容を知りたい方や勉強を始めてみたい方は、教本の購入から始めるのも良いでしょう。
論述やテイスティングのある二次試験は、個人で勉強するのは難しい面があります。ソムリエ協会が認定するため、テイスティングの際の表現方法にも独特なものが多く、ワインの勉強経験がない方は戸惑うケースも多いようです。
SAKE DIPLOMAの試験対策講座を設けているワインスクールなどを活用するのもおすすめです。
- アカデミー・デュ・ヴァン | SAKE DIPLOMA(酒ディプロマ)試験対策(一次/二次) 講座
- ワイン&スクール たけや
- ワインスクール レコール・デュ・ヴァン|SAKE DIPLOMA(酒ディプロマ)受験対策講座(全12回)
- NHKカルチャー|SAKE DIPLOMAの資格を取ろう(実戦編)
まとめ
SAKE DIPLOMAは日本酒と焼酎に関する幅広い知識と、レベルの高いサービスを提供するための高い技量が求められる資格です。合格率は40%程度で取得難易度が比較的高いぶん、より専門的な知識やスキルの証明になります。
日本酒や焼酎が、國酒から世界の「SAKE」になりつつあるなかで、SAKE DIPLOMAの有用性はさらに高まっていくでしょう。
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