酒匠(さかしょう)とは? -テイスティングの専門知識を学べる日本酒資格!

2022.06

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酒匠(さかしょう)とは? -テイスティングの専門知識を学べる日本酒資格!

酒スト編集部  |  日本酒を学ぶ

「酒匠」とは、日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(以下、SSI)が認定している日本酒と焼酎の資格です。同じ日本酒の資格である「唎酒師(ききさけし)」の上位資格にあたります。

唎酒師の資格概要についてはこちらの記事をご覧ください。

この記事では酒匠の概要と、資格取得までの流れを解説します。

酒匠とは「テイスティングの専門家」

酒匠という資格を一言で表すと「テイスティングの専門家」です。資格の取得をつうじて日本酒や焼酎の原料・製法による特性に関する知識や、料理との効果的なペアリングを実現するテイスティングスキルを学べます。

そのため、飲食店・酒販店の経営者や従業員、酒類卸売業のバイヤーなど、仕事で日本酒や焼酎のテイスティングをしたり、酒類に関するアドバイスをする方が取得を目指すケースが多い資格です。

SSI研究室専属テイスターとは

酒匠の資格取得後、「SSI研究室 専属テイスター育成セミナー」でさらに専門性の高いトレーニングを受け、選考会で能力を認められた一部の人が「 SSI研究室専属テイスター」となります。テイスティング能力はもちろん、消費者目線での酒類評価や提案をする知識と経験が必要です。

専属テイスターはSSI研究室からテイスティングに関する業務などを一部委託されます。認定されている方は、2022年4月時点で88名です。

酒匠の資格取得までの流れ

酒匠の受験資格と取得にかかる費用、試験内容について解説します。実際に申し込みをされる際には、SSIの公式サイトで、最新の情報を必ず確認してください。

(1)受験資格

唎酒師と焼酎唎酒師の資格を保有しているFBO認定会員の方のみ、受験資格を得られます。国際唎酒師と国際焼酎唎酒師は対象外となりますのでご注意ください。 また、下記①〜③のうち、いずれかの条件を満たす必要があります。

①「VR日本酒製造体験プログラム」への参加
酒匠/日本酒学講師 講習会受講者限定のプログラムで、酒匠として必要な日本酒製造の現場に対する知識を深められます。

②指定するFBO及び提携加盟団体が主催するセミナーなどへの参加
以下に記載する、FBOおよび提携加盟団体主催のイベントやセミナーに、1回以上参加した履歴が必要です。

  • 学びの遠足!蔵元見学・VR日本酒製造体験
  • 蔵元体験実習
  • 造って学ぶ日本酒道場
  • 日本酒学講師とめぐる蔵元見学ツアー

③「蔵元見学証明書」を提出
製造現場を見学して「蔵元見学証明書」に見学先の酒造会社のサインをいただき、講習会初日に受付へ提出します。

(2)申込方法と費用

試験前には2日間(約18時間)の講習会受講が義務づけられ、200以上のサンプルを使って日本酒と焼酎のテイスティングや日本酒・焼酎と料理のペアリングについても学習します。

申し込みは、SSIの公式サイトから可能です。ただし、次回の講習会開催時期は未定となっています。受講・受験にかかる費用は以下の表の通りです。

金額費用に含まれるもの
受講受験料114,000円(税込)①相性体験用食事/②受講・受験に関わる一切の教材費「酒蔵見学映像・日本酒製造体験映像」視聴付/③1日目、2日目の昼食
ブラッシュアップコース57,000円(税込)①相性体験用食事/②受講に関わる一切の教材費/③1日目、2日目の昼食
認定登録料25,000円(税込)①認定証書(大型認定証書)発行費/②認定章

なお、不合格となった際に再受験を希望する場合には、1回につき15,000円の再受験料が必要になります。受講のみの申し込みはできません。

参考:日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)

(3)試験日程と出題形式

試験日程サイトに記載している日程から選択できます。酒匠講習会の受講日より1年(※)が受験期限となりますが、2022年6月現在、酒匠講習会の次回開催日程は未定です。

※受講日翌月1日を起算とする1年間

試験は第1次試験から第4次試験までを1日でおこないます。試験時間はいずれも50分間です。

試験時間出題形式出題範囲
1次試験50分【筆記】選択・記述式酒匠テキスト
2次試験50分【筆記】選択・記述式酒匠テキスト
3次試験50分【テイスティングを伴う筆記】選択・記述式日本酒・焼酎の原料、製法による香味特性の識別。劣化した日本酒・焼酎の識別
4次試験50分【テイスティングを伴う筆記】選択・記述式日本酒・焼酎の香味特性の視覚化および数値化(日本酒のポジショニングMAPおよび同軸グラフ作成、焼酎のポジショニングMAP作成)。日本酒・焼酎の特性を伝えるべくテイスティングコメント作成

参考:日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)

合格基準に達した試験結果は受験資格保有期間内に限り有効で、その間は不合格となった試験のみを再受験できます。

(4)合格率(現在までの認定者数)

合格率に関する情報は公表されていませんが、認定者の総数は2022年4月時点で500名強。SSIが認定するなかでも上位の資格であるため、受験者もある程度の知識やスキルを持つ人に絞られており、認定者の少なさは難易度の高さを物語っていると言えそうです。

まとめ

酒匠は日本酒と焼酎への深い理解と、高度なテイスティング能力が求められる資格です。消費者に正確な情報をわかりやすく伝えられたり、ニーズにマッチした商品の選定ができたりと、資格の取得をつうじてセールスプロモーション能力が向上します。

現場で活かせる実践的な知識とスキルを学べる酒匠は、ビジネスシーンで幅広く活躍できるでしょう。

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