2022.10
04
日本酒学講師とは? - 特徴やメリット、取得方法、試験内容を解説。資格認定もできる「日本酒の先生」!
「日本酒学講師」とは、日本酒と焼酎の専門知識をもとに、講師として活動できる資格です。飲食業や酒類販売業などの従事者だけでなく、國酒という日本文化を世間に広めることを目的に取得する一般の方も増えています。
この記事では日本酒学講師の概要と、資格取得までの流れについて解説します。
日本酒学講師の資格概要
日本酒学講師は日本酒や焼酎の専門的な知識を持ち、ノウハウをもとにセミナーなどの講師として活動できます。その際、講師としておこなったセミナーの参加者に対して、SSIが公認する「日本酒ナビゲーター」「焼酎ナビゲーター」の資格認定も可能(※)です。
※「日本酒ナビゲーター認定セミナー」は、唎酒師の資格を持つ日本酒学講師が主催可能。「焼酎ナビゲーター認定セミナー」は、焼酎唎酒師の資格を持つ日本酒学講師が主催可能。
また、日本酒学講師の試験には、飲食に特化した知識を生かす「FBO公認講師」の審査項目も含まれており、日本酒学講師に合格すると、同時にFBO公認講師にも認定されます。
日本酒学講師の資格認定講座では、テイスティングを含めた日本酒と焼酎の専門的な知識の習得や、実際にセミナーをおこなって効果的に講義を進めるうえでのテクニックを習得するなど、講師として必要なスキルが備わっているかを問われます。
出典:お酒の魅力を教え伝える「日本酒学講師」|カリキュラム・試験内容
日本酒学講師の資格取得までの流れ
実際に申し込みをされる際には、SSIのホームページで、最新の情報を必ず確認してください。
(1)受験資格
受験資格として、以下の3点を満たす必要があります。
1.唎酒師または焼酎唎酒師であること
2.FBO公認講師であること(FBO公認講師同時取得プランあり)
3.以下のA、B、Cのいずれかを満たしていること
A:酒匠/日本酒学講師 講習会受講者限定「VR日本酒製造体験プログラム」への
申込および参加
※日本酒学講師の講習会日程に合わせて開催されます。
別途申し込みが必要。詳細はこちら
B:以下に指定するFBO及び提携加盟団体が主催するセミナー等への参加履歴
・「学びの遠足!蔵元見学・VR日本酒製造体験」
・「蔵元体験実習」
・「造って学ぶ日本酒道場」
・「日本酒学講師とめぐる蔵元見学ツアー」
・2022年1月・2月開催「VR日本酒製造体験プログラム」
C:「蔵元見学証明書」の提出
※講習会初日に受付へ提出
(2)日本酒学講師の認定条件
認定を受けるには、以下4つの条件をすべて満たす必要があります。
1.FBO認定会員かつ、唎酒師または焼酎唎酒師であること
2.第1~4次の試験結果が、SSIの定める基準に達していること
3.認定登録料の納付が完了していること
4.有資格者として氏名の公表が可能であること
※日本酒ナビゲーター、焼酎ナビゲーターを受講される方への資格保証として、
SSIのWebサイトなどに掲載されます
(3)申込方法と費用
申し込みは、SSIのホームページ内で受け付けています。受験にかかる費用は、3日間の講習会を受講する受講受験料と、合格後の認定料が必要です。受講のみの申し込みは受け付けていません。
また、試験が不合格だった場合、再試験をする場合は最受験料として15,000円(税込)が毎回必要になります。
料金 | 費用に含まれるもの | |
---|---|---|
受講受験料 | 114,000円(税込) | ①受講受験料ならびに受講受験に関わる一切の教材(※「酒蔵見学映像・日本酒製造体験映像」視聴付)/ ②食事:1日目(昼食・懇親会を兼ねた夕食)/2日目(昼食・夕食)/3日目(昼食) |
FBO公認講師・日本酒学講師 認定登録料 | 30,000円(税込) | ①日本酒学講師認定証書/②日本酒学講師認定章/③FBO公認講師認定証書/④FBO公認講師認定章 |
出典:お酒の魅力を教え伝える「日本酒学講師」|受講受験プランについて
(4)講習会・試験日程と出題形式
講習会は、3日間にわたって開催されます。2022年度の開催日は2023年3月18日(土)〜3月20日(月)です。講習会より2週間〜2ヶ月を目安とした受験が推奨されています。
【2022年度の推奨試験日】
2023年4月23日(日)/4月26日(水)/5月23日(火)/5月27日(土)
受験および再受験が可能な期限は、講習会を受講した翌月の1日を起算とする1年間です。再受験する場合、受験資格保有期間内に限り合格基準に達した試験結果を有効とし、不合格となった試験だけを受験できます。
【試験の出題形式】
試験時間 | 試験方法 | 出題範囲(設定) | |
---|---|---|---|
第1次試験(FBO公認講師1次試験と兼ねる) | 12:30〜13:20(50分) | 選択・記述式「講師に必要な知識に関する設問」 | FBO公認講師テキスト |
第2次試験(FBO公認講師2次試験と兼ねる) | 13:30〜14:20(50分) | 記述式「セミナー企画立案~消費者対象セミナーを想定した「実施企画書」の作成~」 | FBO公認講師テキスト |
第3次試験 | 14:30〜15:20(50分) | 記述式「日本酒・焼酎の魅力を伝えるべく講義内容の構成」 | ー |
第4次試験(FBO公認講師3次試験と兼ねる) | 15:30〜(15分/人) | ビギナーを想定した日本酒セミナー実技(10分間の講義実技) | ビギナーを想定した日本酒セミナー実技/参加者には教材としてテキストが配布されている想定/ホワイトボード(または電子ボード)の使用可、その他講義ツールに関しては自由(※審査のため動画撮影をおこなう) |
(5)合格率(現在までの認定者数)
合格率に関する情報は公表されていませんが、現在の日本酒学講師の認定者数は約500名です。
同様にSSIが認定する「唎酒師」の有資格者が42,000名以上いることや、日本酒ナビゲーターや焼酎ナビゲーターの資格を与えられる立場であることを考えると、難易度は高いと言えるでしょう。
まとめ
日本酒学講師は、自社の従業員教育や商品の販売促進に活用できるだけでなく、飲食業界から日本酒・焼酎を楽しむ消費者まで、幅広いニーズに応えられる資格です。
日本酒と焼酎の専門的な知識に加え、講師として魅力的なセミナーを主催するスキルが求められますが、お酒を通じて日本文化を伝える素晴らしさや意義、やりがいも感じられるでしょう。
国内外でSAKEの需要が高まっている今、日本酒学講師の資格を持つ「日本酒の先生」として活躍できる場が広がっています。
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