こだわりの酒器で日本酒をもっと楽しもう!種類と特徴、選び方を解説

2022.10

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こだわりの酒器で日本酒をもっと楽しもう!種類と特徴、選び方を解説

酒スト編集部  |  日本酒を学ぶ

日本酒を飲むときに使う酒器には、ガラスや陶器、錫(すず)など、さまざまな材質や形状のものがあります。見た目が好みの酒器を選ぶのも楽しみ方のひとつですが、酒器によって変わる香りや味わいについて知っておくと、日本酒の新たな魅力に出会えるかもしれません。

この記事では、それぞれの酒器の特徴や選び方を解説します。

酒器の形は大きく分けて4種類!特徴を解説

日本酒をより美味しくいただくために、銘柄やシーンによって酒器を使い分けてみましょう。

酒器の形状別に、それぞれの特徴などを解説します。

①冷酒や熱燗向き「おちょこ」

日本酒の酒器として、もっとも一般的なものです。おちょこのサイズには「勺(しゃく)という単位が使われ、飲食店で提供される場合は二勺(36ml)〜四勺(72ml)程度のサイズが多いとされています。

量が少ないので温度や味わいに変化が起こる前に飲み切れるため、冷酒や燗酒などに向いている酒器です。ただし、熱燗の場合はガラス製の酒器は避けたほうがいいでしょう。

②変化を楽しめる「ぐいのみ」

サイズに明確な決まりはありませんが、おちょこよりも深さがあり、一回り大きいサイズのものとされています。40ml〜200ml程度のものを示す場合が多いです。

ゆっくりと時間をかけて飲めるので、温度によって変わる味わいや香りの変化を楽しめます。

③香りが広がる「グラス」

日本酒のコンテストなどで試飲する際にも多く使用されるのがワイングラス型の酒器です。ワイングラスをそのまま使用する場合もあります。日本酒を注ぐと、香りがグラスの中に広がります。華やかな香りの日本酒や、スパークリング日本酒におすすめです。

④お祝い事にぴったりの「升(枡)」

音の響きが「増す」「益す」と同じなので縁起が良いとされ、お祝い事やパーティーなどの際に、振る舞い酒を入れる酒器としてよく使われます。ますに入る量は約一合(180ml)です。

杉やヒノキを使っている木製の升と、木に漆を重ねた升があります。

酒器の材質で変わる味わいと特徴

酒器の材質によって、日本酒の口当たりや味わいにも変化が起こります。

それぞれの材質の特徴について解説します。

①まろやかに味わう「陶磁器」

陶磁器の酒器は厚みがあるため、日本酒の口当たりをまろやかに感じさせます。コクや甘みのある日本酒向きです。熱伝導率が低いため、燗酒にも適しています。

柄や大きさの種類が豊富なので、好みに合ったものが見つかるでしょう。

②お祝い事にぴったり「漆器」

木製の器に漆を塗り重ねた酒器です。お祝い事に用いられる場合が多く、使い続けることで艶に深みが増していきます。

口当たりが良く高級感があり、軽くて扱いやすい点もメリットです。また、お酒が冷めにくく保温性にも優れています。

③涼しげで美しい「ガラス」

ガラス製の酒器は江戸切子や津軽びいどろなど、伝統工芸で作られたものも多く、デザイン性の高い芸術的な美しさがあります。

涼しげで、冷酒を飲むのにぴったりの酒器です。お酒本来のそのままの味を感じられるので、唎酒をする際にガラス製の酒器を使用するケースも増えています。

④熱燗にも冷酒にも適した「錫」

錫は、イオンによる抗菌作用があるとされている材質です。科学的な仕組みは明らかになっていませんが、こうした特徴によりお酒の雑味が消え、まろやかな口当たりになるのが特徴と言われています。

熱伝導率が良く、熱いものは熱いまま、冷たいものは冷たいままで楽しめるので、冷酒にも燗酒にも向いています。

⑤あたたかみと香りを楽しむ「木」

木製の酒器の種類には、升はもちろん、おちょこ型の酒器もあります。木の香りがほのかに感じられ、日本酒の旨味や香りが引き立つのが特徴です。

素朴な見た目からはあたたかみも感じられ、口当たりも良く飲みやすくなります。

注ぐ酒器の種類と特徴

おちょこやグラスなどの「飲む側」の酒器と同じように「注ぐ側」の酒器にも特徴があります。

①万能選手の「徳利(とくり/とっくり)」

諸説ありますが、注ぐときに「とくりとくり」という音がすることから徳利と呼ばれるようになったといわれています。注ぎ口が狭く、首がすぼまり、胴の膨らんだ形状のものが多いです。材質は陶器、金属、ガラス製などさまざまで、容量は1合から2合ほどが一般的。

燗酒にも冷酒にも向いている万能な形状です。

②燗酒に特化した「ちろり」

ちろりは燗酒をつくるための酒器です。取っ手と注ぎ口があり、コップのような細長い形状をしています。熱伝導率が良く「ちろり」とすぐにお酒が温まることから名付けられました。

材質はアルミや錫、銅などの金属で、とくに錫製のちろりは日本酒が均一にあたたまり、先ほど触れたようにまろやかな味わいにしてくれるため、日本酒にこだわる飲食店でもよく使われています。

③デザイン性に優れた「片口」

長い歴史がある伝統的な形状の酒器で、器の縁の片方に注ぐための口が付いています。上面が開放されたデザインなので温度が変わりやすく、燗酒には不向きです。

注ぎやすく洗いやすい形状、すっきりとしたデザインにファンも多く、片口に特化した酒器ショップがオープンするほど人気が高まっています。

まとめ

お酒の特徴や飲みたい温度帯に合った最適な酒器をご紹介しました。酒器の材質や形状、薄さによっても口当たりや味わい、香りは変化します。

日本酒をより美味しくいただくために、酒器にもこだわってみませんか?

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