日本酒のコンテストにはどんなものがあるの? - 審査基準や受賞率など、29コンテスト分を総まとめ

2024.05

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日本酒のコンテストにはどんなものがあるの? - 審査基準や受賞率など、29コンテスト分を総まとめ

榎本 康太  |  日本酒を学ぶ

日本酒のボトルにかけられた札やラベルに、「〇〇鑑評会・金賞受賞」「△△コンテスト入賞」などと表記されているのを目にしたことはありませんか?日本酒の味や品質を評価するコンテストは、国内はもちろん、世界各地で開催されています。

コンテストで受賞したと聞くと、いかにも美味しいお酒であるように思えますが、コンテストによって最高賞の名前が違ったり、同じ「金賞」でも受賞率が異なったりと、コンテストごとにどんな違いがあるのかはわかりづらいものです。

そこで本記事では、数多く存在する日本酒コンテストの部門や賞の種類、審査方法や受賞率などの情報を徹底的にまとめました。

※各大会の情報は、2025年3月10日時点で確認できる直近の開催結果をもとに集計しています。

日本で開催されているコンテスト

まずは、日本国内で開催されている9つのコンテストを紹介します。部門ごとの出品数が公開されているコンテストについては、受賞率も算出しました。

全国新酒鑑評会

日本酒のコンテストとして最も代表的なのが、お酒に関する国の研究機関である酒類総合研究所と、業界団体である日本酒造組合中央会が主催する「全国新酒鑑評会」です。その年に新しく造られたお酒の品質を審査することで、酒造技術を評価し、日本酒全体の品質の向上に貢献することを目的に開催されています。

最も歴史が長く、参加する酒蔵数も多いコンテストであり、多くの酒蔵が実力を測るために挑戦するとともに、専門家や愛好家からも信頼できる評価として認識されています。

その他、詳しい情報はこちらの記事でまとめています。

項目内容
賞の種類・金賞
入賞酒のうち、特に成績が優秀と認められたもの

・入賞
成績が優秀として予審を通過し、決審で入賞外としなかったもの
部門区分なし
審査基準・方法【構成】
予審と決審の2段階審査

【基準】
香味の調和や特徴が、吟醸酒の品格と飲用特性から良好であるか

【方法】
出品酒を香気成分濃度によりグループ化し、グルコース濃度が低いものから高いものに並べた上で、香り・味・総合評価の各項目について官能審査
審査員酒類総合研究所職員、国税庁職員、醸造に関する学識経験者、清酒の製造販売業や酒造技術指導者など
出品数828製造場から828点
初開催1911年「全国鑑評会」
運営酒類総合研究所・日本酒造組合中央会
URLhttps://www.nrib.go.jp/data/kan/

2024年開催における出品数と受賞数・受賞率は以下の通りです。

出品数金賞数(割合)入賞数(割合)
828195 (23.6%)392 (47.3%)


全国燗酒コンテスト

世界で唯一、「温めておいしい日本酒」のみを選ぶコンテストです。温めて飲む「燗」という日本酒ならではの魅力をアピールすることを目的に開催されています。また、入賞した日本酒の燗は、JR両国駅ホームで後日開催されるイベント「おでんで熱燗ステーション」で実際に味わうことができます。

項目内容
賞の種類・最高金賞
審査員の評価スコアの平均値最上位5%

・金賞
審査員の評価スコアの平均値上位30%
部門・お値打ちぬる燗部門(45℃)
720mL1,250円以下または、1.8L2,200円以下

・お値打ち熱燗部門(55℃)
720mL1,100円以下または、1.8L2,200円以下

・プレミアム燗酒部門(45℃)
720mL1,250円超かつ、1.8L2,500円超

・プレミアム燗酒部門(55℃)
720mL1,250円以下または、1.8L2,500円以下

・特殊ぬる燗部門(45℃)
にごり酒・古酒・樽酒など
審査基準・方法湯煎で審査温度にコントロールし、ブラインド審査で5段階評価
審査員居酒屋店主や流通関係者など
出品数939点
初開催2009年
運営株式会社酒文化研究所
URLhttp://www.kansake.jp/

2024年開催における出品数と受賞数・受賞率は以下の通りです。

部門出品数(計939)最高金賞金賞
お値打ちぬる燗部門23712 (5%)62 (26.2%)
お値打ち熱燗部門22411 (5%)62 (27.7%)
プレミアム燗酒部門24213 (5.4%)58 (24%)
プレミアム燗酒部門1588 (5.1%)40 (25.3%)
特殊ぬる燗部門784 (5.1%)19 (24.4%)


ワイングラスでおいしい日本酒アワード

従来のお猪口などの酒器ではなく、ワイングラスによって日本酒の新たな魅力を伝えることを目的に開催されるコンテストです。若年層や海外へのアピールを含め、和食以外との相性を提案することを目指しています。

項目内容
賞の種類・最高金賞
・金賞
部門・ワイングラスでおいしい日本酒アワード メイン部門
1.8L2,700円以下または、720mL1,350円以下

・スパークリングSAKE部門 
720mL1,960円以下または、300mL820円以下

・プレミアム大吟醸部門
メイン部門の価格を超える大吟醸・純米大吟醸酒

・プレミアム純米部門
メイン部門の価格を超える純米・純米吟醸酒

・プレミアム熟成酒部門
常温貯蔵3年以上の熟成香良好なもの

・プレミアムスパークリングSAKE
スパークリングSAKE部門の価格を超えるもの
審査基準・方法リーデル日本酒用ワイングラスを使い、ブラインド官能テストで7段階評価
審査員居酒屋店主や流通関係者など
出品数260社から1038点
初開催2011年
運営コンタツ株式会社、株式会社佐浦、株式会社酒文化研究所、辰馬本家酒造株式会社、人気酒造株式会社、流通情報企画株式会社
URLhttp://www.finesakeawards.jp/

2024年開催における出品数と受賞数・受賞率は以下の通りです。

部門出品数(計1038)最高金賞金賞
ワイングラスでおいしい日本酒アワード メイン部門30016 (5.3%)76 (25.3%)
スパークリングSAKE部門442 (4.5%)12 (27.3%)
プレミアム大吟醸部門32617 (5.2%)86 (26.4%)
プレミアム純米部門27315 (5.5%)68 (24.9%)
プレミアム熟成酒部門563 (5.4%)15 (26.8%)
プレミアムスパークリングSAKE392 (5.1%)10 (25.6%)


SAKE COMPETITION

大手酒販店「はせがわ酒店」が主催する、市販酒のコンテストです。「全国新酒鑑評会」が酒造技術を評価するのに対し、消費者の視点から、実際に売られているお酒の美味しさを評価します。40歳以下の杜氏のうち、最上位受賞蔵に贈られる「ダイナースクラブ若手奨励賞」などの特別賞が設定されています。

項目内容
賞の種類【部門別】
・GOLD
純米酒、純米吟醸、純米大吟醸部門は上位10位に授与、Super Premium部門は上位3位に授与(順位も公開)

・SILVER
各部門の上位10%に授与

【特別賞】
・ダイナースクラブ若手奨励賞
40歳以下の杜氏のうち、最上位受賞蔵に授与

・JAL空飛ぶSAKE賞
純米3部門の中から「その勢いとは裏腹に出荷量に限りがあり国内でも希少性の高いお酒に対して海外の方にも是非知ってもらいたい」という視点で選出

・Sakenomy Best Brewery of the Year※
※日本酒アプリ「Sakenomy」で、 商品の平均評価が高い人気と実力を兼ね備えた酒蔵を選出
部門・純米酒部門
・純米吟醸部門
・純米大吟醸部門
・海外出品酒部門
・Super Premium部門(※)
※特定名称酒に限らず720mLで小売価格が10,000円(外税)以上、1800mLで15,000円(外税)以上の清酒
審査基準・方法予審、決審と2日にわけて完全ブラインドで開催。ききぢょこに注ぎ、香味の調和や特徴を、清酒の品格と飲用特性から評価する5点法(※)で審査
審査員全国の技術指導者やその推薦で選出された蔵元、有識者など
出品数1000点
初開催2012年
運営株式会社サニーサイドアップ、株式会社はせがわ酒店
URLhttps://sakecompetition.com/index.html

(※)5点法:日本酒が持つ香味の調和や特徴を、清酒の品格及び飲用特性から鑑みて「1:優良、2:良好、3:普通、4:やや難点、5:難点」というように、5段階に分けて総合的に評価する方法

2024年開催における出品数と受賞数・受賞率は以下の通りです。

部門出品数(計1000)GOLDSILVER
純米酒部門26110 (3.7%)10 (3.8%)
純米吟醸部門35010 (2.9%)10 (2.9%)
純米大吟醸部門33410 (3.0%)10 (3.0%)
Super Premium部門553 (5.9%)3 (5.5%)
海外出品酒部門191 (5.3%)-


雄町サミット

酒造好適米「雄町」の主産地である岡山県にて、雄町の認知度を高めることを目的に開催されているコンテストです。審査発表会と同日に、一般の人が参加できる試飲懇親会も開催されます。

雄町の詳しい情報は、こちらの記事で詳しくまとめています。

項目内容
賞の種類・優等賞
部門・吟醸酒(純米吟醸も含む)
・純米酒(精米歩合60%以下)
・純米酒(精米歩合60%超)
審査基準・方法記載なし
審査員公設試験場職員や清酒専門評価者など
出品数125蔵から221点
初開催2008年
運営JA全農おかやま、岡山県酒造好適米協議会、岡山県酒造組合
URLhttps://omachi.marumaru-okayama.jp/

2024年開催における出品数と受賞数・受賞率は以下の通りです。

部門出品数(計221)優等賞
吟醸酒13725 (18.2%)
純米酒(精米歩合60%以下)4410 (22.7%)
純米酒(精米歩合60%超)396 (15.4%)


Japan Women's SAKE Award 美酒コンクール

審査員が女性のみで構成されている日本初のコンクールです。女性が活躍する社会の実現を基本理念としており、特定名称ではなく、味わいによって部門が分けられているのも特徴です。

項目内容
賞の種類・美酒 of the Year
その年の最高峰を表彰

・TOP OF THE BEST
6部門の最高得点酒を表彰

・金賞
・銀賞
各部門ごとのエントリー数上位3分の1が受賞

【特別賞】
・ソムリエ賞
・Z世代賞
・客室乗務員/CA賞
・ラベルコンテスト
部門・フルーティー部門
・ライト&ドライ部門
・リッチ&ウマミ部門
・エイジド部門
・スパークリング部門
・ロウ・アルコール部門(アルコール度数10%以下)

【別枠】
・ラベルコンテスト
審査基準・方法【全部門共通の基準】
・色・味・香りのバランス
・エレガントさ(飲みにくさ、嫌な味わいはないか)
・日本酒らしさ
・心地よい余韻

【部門別の基準】
・フルーティー部門
口の中でもフルーティーな香りを感じるか

・ライト&ドライ部門
すっきり感、ドライさ、キレがあるか

・リッチ&ウマミ部門
ウマミを感じるか

・エイジド部門
熟成による色、香り、味わい

・スパークリング部門
泡の細やかさ

・ロウ・アルコール部門
アルコール感の強弱、お酒としての魅力

【方法】
ブラインドテイスティング
審査員女性の酒類関連資格保持者
出品数142社から316アイテム
初開催2023年
運営一般社団法人日本のSAKEとWINEを愛する女性の会
URLhttps://bishucon.com/


インターナショナル・サケ・チャレンジ

日本酒の海外進出に向けたコンサルティングなどを手掛ける株式会社SAKEマーケティングハウス代表・松崎晴雄氏らが共同審査員長を務めるコンテスト。国内外の酒類専門家による審査のもと、結果を世界中の権威ある教育機関やコンテスト、メディアなどに広めることを掲げています。

項目内容
賞の種類・トロフィー賞
部門ごとの最優秀賞酒に授与

・金賞
・銀賞
・銅賞
部門・熟成
・大吟醸・吟醸
・純米大吟醸
・純米吟醸
・純米
・プレミアム
・発泡酒
審査基準・方法記載なし
審査員国内外の酒類専門家やジャーナリスト
初開催2007年
運営International Sake Challenge
出品数記載なし
URLhttps://www.sakechallenge.com/


酒屋大賞

本屋の店員がおすすめを選ぶ「本屋大賞」にならい、酒販店の店員が、「今消費者に最もおすすめしたい酒蔵」を選ぶコンテストです。ラベルや蔵のコンセプトなどをはじめ、ユニークな審査項目や方法を採用しています。

項目内容
賞の種類表彰単位は酒蔵で、各賞1蔵受賞
・GOLD
・SILVER
・BRONZE
部門区分なし
審査基準・方法【基準】
・うまいと思うか
・飲み手にオススメしたいと思うか
・蔵やお酒のコンセプトを視覚
・味覚・嗅覚的に表現できているか
・新しい飲み手を増やすコンセプトか
・お酒の個性を感じ取れるか
・バランスが取れているか(香り・味わい)
・新しい飲み手を増やす酒質か

【構成・方法】
・予選
WEBでおすすめしたい商品名の投票を募り、本選に進む上位20蔵を選定

・本選:利き酒投票
各蔵3本の出品酒を、商品名などを隠さず利き猪口で審査し、味わいやコンセプトを蔵ごとに評価する
審査員酒販店員
初開催2023年
運営酒屋大賞実行委員会
URLhttps://sakeaward.com/

国税局管内ごとに開催される鑑評会

全国単位で行われるコンテストの他に、多くの酒蔵がエントリーするものとして、国税局管内ごとに毎年開催される鑑評会があります。国税局は、札幌、仙台、関東信越、東京、金沢、名古屋、大阪、広島、高松、福岡、熊本の全国11箇所にあります。沖縄には国税事務所がありますが、日本酒の鑑評会は開催されていません。

全国新酒鑑評会と同じく、酒蔵の酒造技術の評価を通じた品質向上を目的としており、出品対象酒は、前酒造年度中に国税局管内で製造されたものとされています。

いずれの鑑評会も、表彰単位が出品酒ではなく「製造場」とされているほか、関東信越、広島、高松国税局の鑑評会は、一つの部門に対し、一製造場から一点のみ出品可能とされています。

札幌国税局新酒鑑評会

項目内容
賞の種類・金賞
部門・道産米吟醸酒の部
・吟醸酒の部
・純米酒の部
・軽精米ゴク味酒の部
審査基準・方法味の濃淡、味の甘辛、味のコク、特徴的な香味の有無などを軸に、蛇の目猪口を用いて、室温(約20℃)で評価
審査員酒類総合研究所の職員、酒造技術指導機関の役職員や清酒製造場製造担当者など、酒類の製造知識および官能評価能力を有する者
出品数16製造場から103点
URLhttps://www.nta.go.jp/about/organization/sapporo/release/r5/kanpyokai/index.htm

2024年開催における出品数と受賞数・受賞率は以下の通りです。

部門出品数(計103)金賞
道産米吟醸酒の部4715 (31.9%)
吟醸酒の部152 (13.3%)
純米酒の部3410 (29.4%)
軽精米ゴク味酒の部72 (28.6%)


東北清酒鑑評会(運営:仙台国税局)

項目内容
賞の種類・最優秀賞
最上位1蔵に授与

・評価員特別賞
最上位に続く2蔵に授与

・優等賞
部門・吟醸酒の部
・純米酒の部
審査基準・方法・予審
プロファイル法(※)により出品酒の個別の特徴を評価するとともに、5段階の採点法による総合評価

・決審
3段階の採点法による総合評価
審査員酒造関係者、公設試職員など
出品数122製造場から274点
URLhttps://www.nta.go.jp/about/organization/sendai/release/r06/kampyokai.pdf

(※)プロファイル法:日本酒の甘辛や濃淡、吟醸香など香味の特徴や欠点を、個別かつ詳細に評価する方法

2024年開催における出品数と受賞数・受賞率は以下の通りです。

部門出品数(計274)最優秀賞評価員特別賞優等賞
吟醸酒の部1361 (0.7%)2 (1.5%)52 (38.2%)
純米酒の部1381 (0.7%)2 (1.4%)46 (33.3%)


関東信越国税局酒類鑑評会

項目内容
賞の種類・最優秀賞
最上位の製造場に授与

・特別賞
最上位に続く上位2製造場に授与

・優秀賞
部門・吟醸酒の部
・純米吟醸酒の部
・純米酒の部
審査基準・方法酸度で区分したうえで、プラカップできき酒を行い、総合評価とプロファイル法で審査(二審は総合評価のみ)
審査員公設試職員、国税局職員
出品数174製造場から369点
URLhttps://www.nta.go.jp/about/organization/kantoshinetsu/sake/kanpyokai/index.htm

2024年開催における出品数と受賞数・受賞率は以下の通りです。

部門出品数(計369)最優秀賞特別賞優秀賞
吟醸酒1311 (0.7%)2 (1.5%)47 (35.9%)
純米吟醸酒1471 (0.7%)2 (1.4%)46 (31.3%)
純米酒911 (1.1%)2 (2.2%)29 (31.9%)


東京国税局酒類鑑評会

項目内容
賞の種類・優等賞
部門・吟醸
・純米吟醸
・燗酒
・純米燗酒
審査基準・方法記載なし
審査員酒造関係者、国税局職員
出品数36製造場から106点
URLhttps://www.nta.go.jp/about/organization/tokyo/sake/kanpyo/00.htm

2024年開催における出品数と受賞数・受賞率は以下の通りです。

部門出品数(計106)優等賞
吟醸2610 (38.5%)
純米吟醸3012 (40%)
燗酒218 (38.1%)
純米燗酒3911 (28.2%)


金沢国税局酒類鑑評会

項目内容
賞の種類・優等賞
部門・金沢酵母吟醸の部
金沢酵母のみを使用して製造した吟醸酒のみ出品可

・吟醸の部
審査基準・方法記載なし
審査員記載なし
出品数61製造者から162点
URLhttps://www.nta.go.jp/about/organization/kanazawa/sake/jizake/r5/kanpyo.htm

2024年開催における出品数と受賞数・受賞率は以下の通りです。

部門出品数(計162)優等賞
金沢酵母吟醸の部6610 (15.2%)
吟醸の部9613 (13.5%)

名古屋国税局酒類鑑評会

項目内容
賞の種類・名古屋国税局長賞
各部門で、最も成績優秀なものに授与

・優等賞
部門・吟醸酒の部
・純米吟醸酒の部
・燗酒の部
審査基準・方法【吟醸酒の部と純米吟醸酒の部】
伝統型酵母(※)とその他の酵母を使用したものに分け、18~20℃で評価

【燗酒の部】
45℃の温度帯で評価

(※)伝統型酵母
現在主流の吟醸香を高生産する酵母の開発以前から吟醸酒に使用されていた型の清酒醸造用優良酵母
審査員公設試職員、酒類総合研究所職員、学識経験者、鑑定官室職員など
出品数68製造場から212点
URLhttps://www.nta.go.jp/about/organization/nagoya/sake/kampyo/73/index.htm

2024年開催における出品数と受賞数・受賞率は以下の通りです。

部門出品数(計212)名古屋国税局長賞優等賞
吟醸酒の部461 (2.2%)17 (37%)
純米吟醸酒の部601 (1.7%)18 (30%)
燗酒の部1061 (0.9%)28 (26.4%)

大阪国税局清酒鑑評会

項目内容
賞の種類・優等賞
部門・吟醸酒
・燗酒用清酒
審査基準・方法予審は5点法とプロファイル法で評価、決審は3点法で評価
審査員記載なし
出品数84製造場から145点
URLhttps://www.nta.go.jp/about/organization/osaka/sake/r06kanpyo/index.htm

2024年開催における出品数と受賞数・受賞率は以下の通りです。

部門出品数(計145)優等賞
吟醸酒7427 (36.5%)
燗酒用清酒7126 (36.6%)


広島国税局清酒鑑評会

項目内容
賞の種類・優等賞
部門・「吟醸酒」部門
吟醸酒の原酒のみが対象

・「純米酒」部門

・「燗酒」部門
審査基準・方法【基準】
個人的な好みではなく、技術的な観点から、香りや味の構成要素やバランス、製造技術上の要因などについて考察・評価

【温度】
吟醸酒部門と純米酒部門は約20℃、燗酒部門は燗(約40℃)で評価
審査員中国地方各県の公設試験研究機関、県立広島大学、独立行政法人酒類総合研究所の職員、清酒製造者、酒販店及び当局鑑定官など26名(予審14名、決審15名:重複有)
出品数72製造場から188点
URLhttps://www.nta.go.jp/about/organization/hiroshima/release/r05/seishu/index.htm

2024年開催における出品数と受賞数・受賞率は以下の通りです。

部門出品数(計198)優等賞
「吟醸酒」部門6224 (38.7%)
「純米酒」部門6624 (36.4%)
「燗酒」部門6021 (35%)

四国清酒鑑評会(運営:高松国税局)

項目内容
賞の種類・優等賞
部門・吟醸酒
・冷酒
・燗酒
審査基準・方法ブラインドテイスティングで、香味の調和などを評価。評価時の品温は、吟醸酒の部は約20℃、燗酒の部は約45℃
審査員清酒製造関係者、独立行政法人酒類総合研究所職員、県工業技術センター職員、学識経験者や鑑定官室職員など25名(1審12名、2審13名)
出品数35製造場から67点
URLhttps://www.nta.go.jp/about/organization/takamatsu/sake/kanpyo/kanteitop.htm

2024年開催における出品数と受賞数・受賞率は以下の通りです。

部門出品数(計67)優等賞
吟醸酒の部3313 (39.4%)
冷酒・燗酒の部3413 (38.2%)


福岡国税局:酒類鑑評会

項目内容
賞の種類・大賞(最上位)
・金賞
部門・吟醸酒
・純米酒(燗酒:約43℃、常温:約20℃の2区分)
審査基準・方法・吟醸酒部門
吟醸酒にふさわしい上品、または、華やかな香りで、味との調和がとれているか

・純米酒部門
それぞれの評価温度において、純米酒として香味の調和が優れているか
審査員記載なし
出品数170点
URLhttps://www.nta.go.jp/about/organization/fukuoka/sake/kanpyokai/R06/index_en.htm

2024年開催における出品数と受賞数・受賞率は以下の通りです。

部門出品数(計158)大賞金賞
吟醸酒961 (1%)16 (16.7%)
純米酒741 (1.4%)15 (20.3%)

熊本国税局:酒類鑑評会

項目内容
賞の種類・優等賞
部門・熊本酵母吟醸酒の部
・その他の吟醸酒の部

【表彰対象外】
・燗酒の部
審査基準・方法【基準】
・予審
原料及び発酵・貯蔵工程に由来すると考えられる特徴を念頭に置いて評価

・決審
香・味・調和の優劣を評価

【構成・方法】
全出品酒を対象とした予審と、予審の成績上位酒を対象とした決審の2回、ブラインドテイスティングで評価
審査員管内の酒類製造技術指導機関職員、学識経験者や各酒造組合から推薦を受けた外部評価員11名と熊本国税局鑑定官2名の計13名
出品数19製造場から85点
URLhttps://www.nta.go.jp/about/organization/kumamoto/sake/kanpyokai/index.htm

2024年開催における出品数と受賞数・受賞率は以下の通りです。

部門出品数(計97)優等賞
熊本酵母吟醸酒の部609 (15%)
その他の吟醸酒の部254 (16%)
燗酒の部9表彰対象外

海外で開催されているコンテスト

続いて、海外で開催されている日本酒コンテストを9つ解説します。このうち、「全米日本酒鑑評会」「インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)」「SAKE Selection」は、部門ごとの受賞数を確認できたので、受賞率とあわせてまとめました。

全米日本酒歓評会

2001年から毎年開催されている、日本国外で最も歴史の長い日本酒の品評会です。「For the Sake of Sake(日本酒のために)」を使命に掲げ、海外における日本酒と日本酒文化への啓蒙を目的としています。関連イベントである、世界各都市で開催される一般公開の利き酒会「ジョイ・オブ・サケ」では、すべての出品酒が展示され、多くの日本酒ファンにテイスティングされる機会が設けられます。

項目内容
賞の種類【部門別】
・グランプリ
各部門の最上位

・準グランプリ
各部門の上位2・3位

・金賞
上位約50%が二審に進み、二審で上位の得点を獲得した出品酒

・銀賞

【部門横断的】
・エメラルド賞
第1回大会からの金賞と銀賞の受賞結果を数値化して合計点を算出し、累計得点が最も高くなった蔵元に授与(受賞は1回限り)
部門・大吟醸 A(精米歩合40%以下)
・大吟醸 B(精米歩合50%以下)
・吟醸
・純米
審査基準・方法【構成】
・一審
欠点を精査し、上位約50%を二審へ

・二審
一審に比べ、総合的な評価を行い、上位の得点を獲得した出品酒に「金賞」、それ以外の出品酒に「銀賞」を授与

【方法】
グルコース濃度を考慮した順番で、ブラインドテイスティング
審査員酒類総合研究所、日本酒造組合中央会や日本醸造協会などから通常日本人8名、外国人3名で構成
出品数197蔵から587点
初開催2001年
運営U.S. National Sake Appraisal
URLhttps://sakeappraisal.org/

2024年開催における出品数と受賞数・受賞率は以下の通りです。

部門出品数(計578)グランプリ準グランプリ金賞銀賞
大吟醸 A(精米歩合40%以下)1851 (0.5%)2 (1.1%)57 (30.8%)41(22.2%)
大吟醸 B(精米歩合50%以下)1131 (0.9%)2 (1.8%)29 (25.7%)25 (22.1%)
吟醸1511 (0.7%)2 (1.3%)42 (27.8%)40 (26.5%)
純米A851 (1.2%)2 (2.4%)21 (24.7%)19 (22.4%)
純米B531 (1.9%)2 (3.8%)12 (22.6%)13 (24.5%)

インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)SAKE部門

1984年に設⽴された、世界的に最も権威あるワインのブラインドテイスティング審査会です。SAKE部⾨は2007年に設⽴されて以来、影響力の高い評価基準として国内外で信頼されており、日本国内開催のコンテストを含めた全ての日本酒コンテスト中、世界一の出品総数を誇ります。

項目内容
賞の種類【部門別】
・トロフィー
各部門で最も優れた1点に授与

・リージョナルトロフィー
トロフィーには及ばないものの、極めて優れたクオリティの数点に授与

・ゴールドメダル
・シルバーメダル
・ブロンズメダル

・コメンディット(大会推奨酒)
メダルには至らなかったものの、一定の水準を満たし、IWCが推奨できると認めた銘柄

【部門横断的】
・チャンピオン・サケ
各部門のナショナルトロフィー受賞酒の中から、1点のみ選出される最高賞

・グレートバリュー・チャンピオン・サケ
720mL1,200円以下かつ、生産量10万本以上のゴールド・シルバーメダル受賞酒から、最も優れたもの1点に授与

・グレートバリュー・アワード
グレートバリュー・チャンピオン・サケには及ばないものの、優れたコストパフォーマンスを誇るものに授与

・ブリュワリー・オブ・ザ・イヤー
メダルやトロフィーから算出される合計ポイントが高い酒蔵を選出(最終候補に残った酒蔵も発表される)
部門・Junmai 純米
・Junmai Ginjo 純米吟醸
・Junmai Daiginjo 純米大吟醸
・Honjozo 本醸造
・Ginjo 吟醸
・Daiginjo 大吟醸
・Futsu-shu 普通酒
・Koshu 古酒
・Aged Style 熟成酒
・Sparkling スパークリング
審査基準・方法【構成】
・ラウンド1
アウト(除外)、コメンディット(推奨)、第2ラウンド進出の3つに評価

・ラウンド2
ゴールド、シルバー、ブロンズのメダルを授与。「アウト」や「コメンディット」とされたお酒も再度審査し、評価を検証する

・トロフィー・テイスティング
ゴールドメダル受賞酒を対象に、トロフィー受賞に向けた審査。ゴールド・シルバーメダル受賞酒から、グレートバリュー・アワードの選出も同時に行う

・IWCコ・チェア最終審査
ナショナルトロフィー受賞酒の中からチャンピオン・サケの選出
審査員マスター・オブ・ワインの⼤橋健⼀⽒をはじめとするコ・チェアマンのもと、毎年世界10数か国から集まる国際⾊豊かな審査員
出品数1,504点
初開催2007年
運営William Reed
URLhttps://www.internationalwinechallenge.com/about-the-sake-competition.html#

2024年開催における出品数と受賞数・受賞率は以下の通りです。

部門出品数(計1601)トロフィーリージョナルトロフィーゴールドシルバーブロンズコメンディット
純米2801 (0.4%)1 (0.4%)10 (3.6%)49 (17.5%)80 (28.6%)100 (35.7%)
純米吟醸3191 (0.3%)2 (0.6%)11 (3.4%)58 (18.2%)75 (23.5%)134 (42%)
純米大吟醸4541 (0.2%)3 (0.7%)31 (6.8%)98 (21.6%)110 (24.2%)186 (41%)
本醸造401 (2.5%)1 (2.5%)3 (7.5%)10 (25%)12 (30%)8 (20%)
吟醸301 (3.3%)03 (10%)3 (10%)7 (23.3%)12 (40%)
大吟醸1521 (0.7%)2 (1.3%)11 (7.2%)34 (22.4%)45 (29.6%)50 (32.9%)
普通酒561 (1.8%)1 (1.8%)2 (3.6%)12 (21.4%)16 (28.6%)20 (35.7%)
古酒501 (2%)2 (4%)10 (20%)11 (22%)12 (24%)14 (28%)
熟成酒381 (2.6%)2 (5.3%)8 (21.1%)12 (31.6%)11 (28.9%)5 (13.2%)
スパークリング851 (1.2%)1 (1.2%)4 (4.7%)14 (16.5%)22 (25.9%)31 (36.5%)

SAKE Selection

世界最大規模のワインコンクール「ブリュッセル国際コンクール(CMB)」の日本酒部門として、2018年に新設されたコンテストです。受賞酒には、欧州を中心に広く海外市場に知名度を高められるよう、プロモーションの機会が提供されます。

項目内容
賞の種類・トロフィー
各部門の最上位に授与

・プラチナ
・ゴールド
・シルバー
部門・純米大吟醸
・純米吟醸
・純米(特別純米を含む)
・吟醸(大吟醸を含む)
・本醸造(特別本醸造を含む)
・スパークリング
・熟成古酒
審査基準・方法記載なし
審査員国際的な流通関係者、醸造学者・技術者、ジャーナリスト、ワイン評論家など
出品数277蔵から617点
初開催2018年
運営ブリュッセル国際コンクール(Vinopres)
URLhttps://sakeselection.com/

2018年開催における出品数と受賞数・受賞率は以下の通りです。

部門出品数(計617)トロフィープラチナゴールドシルバー
純米大吟醸酒1771(0.6%)12 (6.8%)15 (8.5%)12 (6.8%)
純米吟醸酒1321(0.8%)9 (6.8%)19 (14.4%)7 (5.3%)
純米酒1341(0.7%)7 (5.2%)12 (9.0%)14 (10.4%)
吟醸酒811(1.2%)4 (4.9%)10 (12.3%)8 (9.9%)
本醸造酒311(3.2%)2 (6.5%)3 (9.7%)2 (6.5%)
スパークリング日本酒301(3.3%)1 (3.3%)5 (16.7%)3 (10.0%)
熟成古酒321(3.1%)3 (9.4%)3 (9.4%)4 (12.5%)


Kura Master

フランスで開催される、フランス人のための日本酒コンクールです(2021年より本格焼酎・泡盛部門も新設)。審査員がフランス人を中心としたアルコール・飲食業界のプロフェッショナルで構成されており、審査基準もフランス向けになっているのが特徴です。

フランスの歴史的食文化でもある「食と飲み物の相性」に重点をおき、食と飲み物のマリアージュを体験する機会を設け、フランスをはじめとした欧州市場へアピールする場としても機能しています。

項目内容
賞の種類【部門別】
・審査員賞
各部門で最も優れた1点に授与

・プラチナ賞
審査で93〜100ポイント獲得したものに授与

・金賞
80〜92ポイント獲得したものに授与

【部門横断的】
・プレジデント賞
審査員賞を受賞したものから、審査委員長が選出した1銘柄
部門・純米酒部門
精米歩合51%以上

・純米大吟醸酒部門
精米歩合50%以下

・サケ スパークリング部門
アルコール10%以上で米、米麹、水だけを原料とし、20℃でガス圧が3.0バール以上のもの

・クラシック酛部門
菩提酛、水酛、生酛、山廃酛で仕込んだもの

・古酒部門
3年以上の古酒・長期熟成酒で、熟成期間の半分以上を10℃以上(室温)で貯蔵したもの
審査基準・方法【基準】
フランス人、フランスのマーケットに向けた審査基準。出品総数のうち、33%が受賞できるというフランス政府の規定に基づき賞を決定

【構成】
・第一次審査
金賞・プラチナ賞の決定に加え、プラチナ賞受賞酒のうち特に優れたものを純米酒・純米大吟醸部門は10銘柄、その他の部門は5銘柄を「決勝進出酒」として選出

・第二次審査
決勝進出酒から更に優れたものを純米酒・純米大吟醸部門は5銘柄、その他の部門は2銘柄を「上位16銘柄」として選出し、その中から審査員賞受賞酒を決定

【方法】
ワインの品評会で行われる方式のブラインドテイスティングを行い、室温(15度程度、スパークリングは9度程度)にて、100点満点の加点方式で評価
審査員フランス人を中心としたヨーロッパのトップソムリエやバーマン、カービストなど飲食業界のプロフェッショナル
出品数340製造場から1092銘柄
初開催2017年
運営Association de Kura Master
URLhttps://kuramaster.com/


SAKE-China

中国全土の人々に向けて、日本酒の美味しさを伝え、自分たちの好みに合う日本酒に出会ってもらうことを目的に開催されるコンテストです。審査員が中国人のみで構成されているのも特徴です。

項目内容
賞の種類【部門別】
・プラチナ賞
・金賞

【部門横断的】
 ・Golden Dragon賞 (最高金賞)
各部門で最優秀評価を得た出品酒のうち、最高得点を獲得した出品酒に授与

・審査員特別賞
出品酒の合計取得ポイントが最も多かった酒蔵に授与

・ANA賞
同じ商品で、3年連続金賞・プラチナ賞を受賞した出品酒に授与
部門・大吟醸部門
・純米大吟醸部門
・吟醸 / 純米吟醸部門
・純米酒部門
・本醸造 / 普通酒部門
審査基準・方法記載なし
審査員中国人のみで構成
出品総数29蔵から計80本
初開催2018年
運営一般社団法人全日本コメ・コメ関連食品輸出促進協議会、日本料理普及促進会
URLhttp://www.sake-china.com/index.html


Oriental Sake Awards

2022年に香港で初めて開催された、アジア最大級の日本酒コンクールです。アジアの消費者に好まれる日本酒を選出し、消費者の指南書のような役割となること、アジア市場開拓の参考となるデータを提供することを目的としています。特定名称が同じ場合でも、「淡麗」と「芳醇」と味わいに応じて部門を分けているのが、他のコンテストに見られない特徴です。

項目内容
賞の種類・Sake of the Year
各部門のチャンピオンの中から選出

・Division Champion
各部門のチャンピオン

・金賞
・銀賞
・銅賞
受賞酒は総合出品数の40%以下に制限する
部門・純米大吟醸 / 純米吟醸 (淡麗)
・純米大吟醸 / 純米吟醸 (芳醇)
・大吟醸 / 吟醸 (淡麗)
・大吟醸 / 吟醸 (芳醇)
・本醸造
・純米酒(旨味濃醇)
・純米酒(淡麗)
・スパークリング
・生酒
審査基準・方法【部門ごとの評価要点】
・純米大吟醸 / 純米吟醸 (淡麗)
香りの良さ、透明感のある味わい、上品さ、キレの良さ

・純米大吟醸 / 純米吟醸 (芳醇)
香りの良さ、味わいの強さと複雑さ、まろやかさ

・大吟醸 / 吟醸 (淡麗)
香りの良さ、透明感のある味わい、上品さ、キレの良さ

・大吟醸 / 吟醸 (芳醇)
香りの良さ、味わいの強さと複雑さ、まろやかさ

・本醸造
香りの良さ、透明感のある味わい、爽快感、キレの良さ

・純米酒(旨味濃醇)
香りの良さ、旨味の強さ、まろやかさ

・純米酒(淡麗)
雑味の少なさと旨味とのバランス、爽快感、キレの良さ

・スパークリング
泡質の良さ、上品さ、重層的な味わい

・生酒
香りと味わいのフレッシュさと力強さ、爽快感

【構成・方法】
・予選
すべての出品酒をブラインド・テイスティングし、2次審査に進む酒を選ぶ

・2次審査
100点満点の加点法で、賞を決定

・3次審査
金賞受賞酒から各部門のチャンピオンを選出

・決勝審査
各部門のチャンピオンの中から「Sake of the Year」の選出
審査員酒サムライ・Micky Chan氏をはじめとするアジア各国の専門家、各種日本酒の資格を持つプロから15~20名で構成
初開催2022年
運営日本酒業連合會
出品数147蔵から356銘柄
URLhttps://www.orientalsakeawards.com/


CINVE

2007年から開催されている、酒類やオリーブオイルなどを対象とした、スペイン政府公認のコンクールです。近年のスペインにおける日本食、日本の酒への急速な認知の高まりから、2019年に日本酒部門が創設されました。出品することで、スペインだけでなく、ヨーロッパや中南米への販路拡大につながることが注目されています。

項目内容
賞の種類・Gran CINVE/Grand CINVE
・Gran Oro/Grand Gold
・Oro/Gold
・Plata/Silver
部門・日本酒
・古酒
審査基準・方法記載なし
審査員スペイン、ヨーロッパ、中南米、アジアの酒類や飲食分野のエキスパート
初開催2007年(日本酒部門は2019年から)
運営InsocFerial
出品数記載なし
URLhttps://cinve-japan.com/


Australian Sake Awards

オーストラリアのシドニーで開催される国際日本酒コンクールです。オーストラリア人で構成される審査員が、オーストラリアの市場で好まれる日本酒の選出、審査会を通じたオーストラリアでの日本酒の売り手育成を目指して開催しています。

項目内容
賞の種類【部門別】
・プラチナアワード
最上位の日本酒に授与

・ゴールドアワード
上位20%に授与

【部門横断的】
・ピープルズチョイス
各審査員によって投票された日本酒の上位10%に授与
部門・純米大吟醸部門
・純米酒部門
・生酒・生原酒部門
・スパークリング部門
・吟醸・大吟醸部門
・熟成酒・古酒部門
・本醸造・普通酒部門
審査基準・方法ブラインドテイスティングで10点満点の加点方式
審査員協会が事前に開催する2回の講義を受講した、オーストラリア人の日本酒・ワインの関係者(50〜80名)
初開催2022年
運営一般社団法人 Australian Sake Awards協会
出品数52蔵から計104点
URLhttps://australiansakeawards.org.au/


酒チャレンジ

日本酒をさらに世界へ広めることを目的に、これまでロンドン、ミラノ、ボルドー、ルクセンブルク、シンガポール、東京の6カ国で開催されています。酒は日本人の味覚と食事にしか合わないという先入観の一掃、地域的アプローチによって、ソムリエと生産者が全ての文化のそれぞれの食事との相性を学ぶ機会を設けることを目的としています。ラベルデザインも審査対象内なのが特徴的です。

項目内容
賞の種類・プラチナ賞
・ダブルゴールド(ミラノ開催のみ)
・金賞
・銀賞
・銅賞
部門区分なし
審査基準・方法【審査項目】
・製品の鮮明度、外観、タイプ、光沢
・香りと芳香
・風味と味
・鼻と口内での滞留時間の協調
・ラベルと包装の洗練度合い

【方法】
以下の基準に従って0~10 の星で評価
・星0 (コンペの基準に達していない)
・星1〜2つ (悪くない)
・星3〜4つ (よい)
・星5〜6つ (たいへんよい)
・星7〜8つ (素晴らしい)
・星9〜10つ (抜群によい)
審査員開催地の酒ソムリエを中心に構成
初開催2012年(ロンドン開催)
運営Sake Sommelier Association
URLhttps://sakechallenges.com/


モナコSAKEアワード

世界各地からセレブが集うモナコ公国で、世界中の方々が楽しめる日本酒を選ぶ、モナコと日本の文化交流のために開催されるコンテストです。2023年の審査会には、国家元首であるアルベール2世も参加しました。

項目内容
賞の種類・グランプリ
・マリアージュ賞(テーマ食材が設定される)
・GOLD
部門・純米大吟醸・大吟醸
・純米吟醸・吟醸
・純米・本醸造
・普通酒
審査基準・方法記載なし
審査員モナコ公国大公、宮廷シェフ、一流ホテルやレストランのソムリエなど、モナコ在住の有識者
初開催2021年
運営Association Monaco Friends of Japan
URLhttps://monacosake.com/

まとめ

「〇〇コンテスト金賞受賞!」などのラベルを目にしたときや、お気に入り酒蔵の受賞歴を見たときに、それがどんなコンテストのどんな賞なのかを理解できれば、日本酒選びがもっと楽しくなるのではないでしょうか。

また、国内だけでなく、海外開催の日本酒コンテストが増えつつあることからは、日本酒が世界から目を向けられ始めているのを感じます。日本酒コンテストの情報も、日本酒の広がりを示す要素のひとつなのかもしれません。開催数や受賞酒の変化を追ってみると、これまでとは違う視点から日本酒の現状を見ることができそうです。

参考文献

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