定番酒への愛を熱く語る - 「玉櫻 純米 五百万石」玉櫻酒造(島根県)

2023.12

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定番酒への愛を熱く語る - 「玉櫻 純米 五百万石」玉櫻酒造(島根県)

酒スト編集部  |  定番酒への愛を熱く語る

期間限定の日本酒が目まぐるしくリリースされる昨今。ファンにとっては、情報や流行を追うのも楽しみのひとつですが、一方で、その酒蔵が看板商品としている「定番酒」を飲む機会は少なくなりがちです。

定番酒とは、その酒蔵の思想を体現する看板商品であり、それゆえにロングセラーとして君臨しています。レア酒を追いかけるのもいいけれど、毎日飲みたくなるような定番商品への愛も広めたい! そんな想いからスタートしたのが、こちらの「定番酒への愛を熱く語る」シリーズです。

今回登場するのは、島根県で造られている、燗酒向きの銘柄「玉櫻」。その中でも気軽に飲みやすい「玉櫻 純米 五百万石」の魅力について、ぺるのさんが語ってくれました。

ずっと一緒にいても疲れない、素朴で良い子

スマホの写真記録を遡ってみると、初めて出会った場所は、広島への出張時に訪れた、駅近の立ち飲み屋「たつみ屋」さんだったようです。当時は純米燗酒にハマり出したころでしたが、正直、パンチ強めのお酒が好みだったので、あまり印象には残っていませんでした。

それがいつの間にか我が家の定番酒となっていたのは、どんな料理にも合うし、毎日飲んでも飲み疲れしない味だからでしょう。蔵元一家であり杜氏でもある櫻尾兄弟のイメージもあるかもしれませんが、素朴な優しいお酒で、仕事終わりのリラックスタイムにいつもホッとさせてくれます。価格も安く、大概常備されている、我が家のユーティリティプレイヤーです。

我が家には100本近くの日本酒のストックがありますが、ちょっと良いことがあったときや、仕事の山場を超えたときは、やはり秘蔵酒を飲みたくなります。好みの日本酒は、唯一無二のいろんな顔を見せてくれる日本酒。自家熟成も楽しく、家族に文句を言われながらもどんどん溜まっていく一方です。

そんな我が家の日本酒の中では、「玉櫻 純米 五百万石」は比較的ブレは少なく、再現性の高い日本酒といえるかもしれません。人にたとえるなら、クラスの中でも、派手さは無く、目立たないけど素朴で良い子。言葉が合ってるかわかりませんが、ずっと一緒に居て疲れない、お嫁に迎えたい日本酒ですね。

飲みやすくてコスパ抜群の燗酒入門酒

玉櫻は、純米燗酒入門のお酒として、価格も安くてオススメです。燗酒向きのお酒にはクセが強いものも多いですが、普段、日本酒を飲まない嫁さんも、このお酒は飲みやすいと言っています。

純米燗酒は、香りが華やかな日本酒と違って、飲み疲れることがありません。温めることで味わいが深まり、冷酒のようにごくごく飲み過ぎてしまうこともないので、次の日に二日酔いになることが少ないような気もします。燗酒向きのお酒は骨太なタイプが多く、常温保存ができるので、冷蔵庫を占有することがなく、嫁さんに怒られないのも良いところです。

家での鉄板の飲み方は、酒燗器「かんまかせ」で熱々にして、盃台に平盃を載せて楽しみます。余談ですが、かんまかせは本当に素晴らしい商品。これで、自宅でダラダラと燗酒を飲めるようになりました。 といっても、疲れていて面倒な時はレンチンでもOK。ゆる〜く燗酒ライフを満喫できます。

玉櫻には「悠々燗々(ゆうゆうかんかん)」というカップ酒があるんですが、実はこの中身が「玉櫻 純米 五百万石」です。気軽に外でも飲めるので、花見に持って行ったり、趣味のJリーグ観戦にも連れて行きます。寒い時期、アウェイ戦ではスタジアムで悠々燗々を飲んでゲン担ぎしています。

玉櫻の別のお酒にもぜひチャレンジを

私は一年を通して燗酒を飲むので、冬にこたつで楽しむのはもちろん、夏はクーラーの効いた部屋で飲みます。ぜひ、みなさんに先入観を持たずに燗酒にチャレンジしてみてほしいです。

玉櫻 純米 五百万石は、純米燗酒の美味しさを知る入り口になります。このお酒を飲んで気に入っていただけたら、次は生酛改良雄町も飲んでみてほしいです。改良雄町は米が割れやすく、扱いにくいそうですが、味わい深くパンチのある酒質で、五百万石とはまた違った味わいを感じさせてくれます。熟成に向く酒なので、我が家では何本か眠っています。

そのほか、梅酒もオススメです。純米吟醸の原酒で仕込まれた贅沢な梅酒で、ロックやソーダ割りが絶品。これを入り口に、気に入ったら五百万石にチャレンジするのもアリだと思います。

玉櫻は、変わらない美味しさもありつつ、新しいチャレンジにも期待できる酒蔵です。少し前に、古酒を何種類かリリースしていたのも記憶に残っています。キャパシティの問題もあり難しいかもしれませんが、また古酒も展開してくれるのではないかと楽しみにしています。

【シリーズ:定番酒への愛を熱く語る】
料理研究家 松原もも:「獺祭 純米大吟醸45」旭酒造(山口県)

WSET Sake エデュケーター KJ Sakura:「泡々酒ストライプ」丸本酒造(岡山県)

会社員 godanism:「奈良萬 純米酒」夢心酒造(福島県)

料理家・酒屋「発酵室よはく」店主 真野遥:「丹澤山 麗峰」川西屋酒造店(神奈川県)

会社員 河島泰斗(わっしー):「群馬泉 山廃本醸造」島岡酒造(群馬県)

SAKEジャーナリスト 木村咲貴:「黒松剣菱」剣菱酒造(兵庫県)

「定番酒への愛を熱く語る」シリーズの記事一覧はコチラ

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