自宅にある材料と道具で簡単に作れる! - 「日本酒カクテル」の作り方を学ぶ

2020.05

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自宅にある材料と道具で簡単に作れる! - 「日本酒カクテル」の作り方を学ぶ

二戸 浩平  |  日本酒を学ぶ

新型コロナウイルスの影響で外出制限が続く昨今、家庭料理と近所の酒屋さんで買える日本酒で楽しむこともできますが、「普段と違う味わいを体験してみたい!」という欲求が高まってきている頃ではないでしょうか?そこで今回の記事では、東京・銀座で150種類以上の日本酒カクテルを提供する「SAKE HALL HIBIYA BAR」様に取材協力をいただき、自宅でも簡単に作れる「日本酒カクテル」の作り方をご紹介します。

基本となる簡単なレシピ、そしてさらにひと工夫を加えると、新しい味わいが体験でき、普段飲んでいるお酒と合わせられるお料理の幅も広がります。外食に出かけにくいこの機会に、ぜひこの記事を参考にして日本酒カクテルづくりを身につけてみてください。

自宅にあるお酒と材料で簡単にできる!「基本編」のカクテル3種

まずは、自宅にある日本酒と割り材、それに少しの材料で簡単にできる、基本となるカクテルを3つご紹介しましょう。

サキニック

最初にご紹介するサキニックは、氷をたっぷり入れたグラスに日本酒:炭酸水:トニックウォーターを2:1:1で混ぜるだけ!すっきりと爽やかに飲める味わいになります。あればオレンジピールを飾ると、見た目と香りでさらに爽やかさを演出してくれます。 度数も低く、日本酒が苦手な人でも楽しめる味わいなので、乾杯の一杯に最適です。

[材料]
日本酒 : 60ml
炭酸水 : 30ml
トニックウォーター : 30m
オレンジピール : 1片
+++
[作り方]
1.グラスに氷をたっぷり入れ、良く冷やした日本酒を注ぐ
2.良く冷やした炭酸水とトニックウォーターを注ぎ、軽く混ぜる
(氷を一度持ち上げる程度)
3.(あれば)オレンジピールをグラス側面でツイストして飾る
(良く洗った国産レモンの皮でも代用可能です)

サキ・モヒート

ミントの清涼感が味わえるモヒートは、夏にぴったりのカクテルですが日本酒でも作ることができます。 ミントの葉の量をお好みに応じて調整してみるのも楽しいでしょう。

[材料]
日本酒 : 60ml
炭酸水 : 60ml
シュガーシロップ : ティースプーン1杯
ライム : 1/8カット
ミントの葉 : 適量
+++
[作り方]
1.グラスにミントの葉・ライム・シュガーシロップを入れ、軽く潰す
(材料を潰す際は、あればペストルを、なければすりこぎ棒などを使用)
2.グラスにクラッシュアイスを詰める
(なければ通常の氷、またはコンビニ等で買えるカップ入りの小粒の氷を使用)
3.日本酒と炭酸水を注ぎ、混ぜる
4.ミントの葉を飾り、ストローを差入れる

フレッシュ トマト ミスト

基本編の最後にご紹介するのは、トマトを使ったカクテル。居酒屋にもトマトハイなどのメニューがありますが、 実は日本酒とトマトには「アミノ酸の旨味」という共通点があり、相性がいい んです!

[材料]
日本酒 : 60ml
フレッシュトマト : 1/4カット
シュガーシロップ : ティースプーン0~1杯(甘さの調整程度)
ミントの葉 : 適量
+++
[作り方]
1.グラスに日本酒、フレッシュトマト、シュガーシロップを入れ、潰す
(甘みのあるトマトの場合、シュガーシロップの量を調整してください)
(材料を潰す際は、あればペストルを、なければすりこぎ棒やマッシャー、フォークなどを使用)
2.クラッシュアイスを詰めて、軽く混ぜる
(なければ通常の氷、またはコンビニ等で買えるカップ入りの小粒の氷を使用)
3.ミントの葉を飾り、ストローを差入れる

基本編のカクテルにひと手間加えて & 急須を使った ”酒 + 茶” カクテルも!

ここからは、専用の道具を使うもの、季節を意識した素材を使うもの、ひと手間加えたものなど、「応用編」のカクテルをご紹介します。専用の道具といっても、手に入りやすいもの・自宅にあるかもしれないものですし、季節を意識した素材もアレンジが可能です。ぜひ自宅にあるものを使って、アレンジをしながら楽しんでみてください!

ハーブを加えてシェークしたサキニック「ナンバー1 ハーブソニック」

初めにご紹介するのは、 サキニックにハーブを加える「ナンバー1 ハーブソニック」 です。シェーカーを使うので少しハードルが上がるかもしれませんが、ひと手間で全く異なる味わいを感じることができます。

[材料]
日本酒 : 60ml
炭酸水 : 30ml
トニックウォーター : 30m
ローズマリー : 1本
+++
[作り方]
1.シェーカーに日本酒とローズマリーを入れる
2.氷を詰め、蓋を閉めてシェークする
3.グラスに2.と炭酸水、トニックウォーターを注ぎ、軽く混ぜる

サキ・モヒートに山椒を加えた「山椒&SAKEモヒート」

サキ・モヒートに山椒を振りかけることで、独特な香りと味を引き出したカクテル です。最初は香りを楽しみ、その後ストローで軽く混ぜるとスパイシーな味わいを楽しめます。

[材料]
日本酒 : 60ml
炭酸水 : 60ml
シュガーシロップ : ティースプーン1杯
ライム : 1/8カット
ミントの葉 : 適量
+++
[作り方]
1.グラスにミントの葉、ライム、シュガーシロップを入れ、軽く潰す
(材料を潰す際は、あればペストルを、なければすりこぎ棒などを使用)
2.クラッシュアイスを詰め、日本酒と炭酸水を注ぎ、混ぜる
(なければ通常の氷、またはコンビニ等で買えるカップ入りの小粒の氷を使用)
3.山椒粉をふりかけ、ミントの葉を飾り、ストローを差入れる

トマトの代わりに桃を使った「フレッシュ モモ ミスト」

フレッシュ トマト ミストのトマトの代わりに、季節のフルーツを使うこともできます。 今回は、夏から手に入りやすくなる桃を使ったフレッシュ モモ ミストをご紹介します。果物のジューシーな甘味を活かした、フレッシュ感たっぷりの味わいが魅力です。

[材料]
日本酒 : 60ml
桃 : 適量
シュガーシロップ : ティースプーン0~1杯(甘さの調整程度)
ミントの葉 : 適量
+++
[作り方]
1.グラスに日本酒、桃、シュガーシロップを入れて、潰す
(材料を潰す際は、あればペストルを、なければすりこぎ棒やマッシャー、フォークなどを使用)
2.クラッシュアイスを詰めて、軽く混ぜる
(なければ通常の氷、またはコンビニ等で買えるカップ入りの小粒の氷を使用)
3.ミントの葉を飾り、ストローを差入れる

急須とお茶を使った「YOKKAICHI SHINING」

最後にご紹介するのは、 急須とお茶を使って作るカクテル です。カクテルベース専用日本酒「MOTOZAKE」公式のレシピでは、三重県四日市市のかぶせ茶と、同じく三重県の「MOTOZAKE WAKA-EBIS」を使っているため「YOKKAICHI SHINING」という名前です。ご家庭でも、お茶とお酒の産地を揃えてみると面白いかもしれません。お茶を選ぶ際には、 かぶせ茶と同様の渋みが少なく旨味の多いタイプの茶葉を使うのがおススメ です。

[材料]
日本酒 : 180mlまで(適量)
緑茶の茶葉 : 10g
グレナデンシロップ : (あれば) 数滴
マラスキーノチェリー : (飾り用・あれば) 1個
+++
[作り方]
1.カゴ型網でない(できれば陶器製網の)急須を用意する
2.急須に茶葉を入れる
3.急須に氷を詰め、日本酒を注ぐ
4.半時計回りに約1分間回し、撹拌する
5.カクテルグラスに注ぐ (通常の小さめのグラスでもOK)
(それぞれ、あれば)グレナデンシロップとマラスキーノチェリーで飾る

カクテル用のお酒を選ぶポイント

ここまで、魅力的な日本酒カクテルの作り方を見てきましたが、カクテルに使う日本酒はどのようなものを選べばよいのでしょうか?SAKE HALL HIBIYA BARの店長・見澤さんに伺ってみました。

ーー自宅で日本酒カクテルを作ろうとするときには、どんな日本酒を使うのが良いでしょうか?

見澤さん「ご自宅でカクテルを作る、ということを考えた際には、簡単に楽しめることが最も重要です。

たとえば ご自宅にある旬の果実を、すりこぎ棒やマッシャーなどでグラスに潰し、冷凍庫にある氷を入れ、ご自宅にある日本酒を注いで少し混ぜるだけでも美味しく飲めます

ーーカクテル作りに向いている日本酒、というのはあるのでしょうか?

見澤さん「私どもがカクテルベース専用日本酒として提供している『MOTOZAKE』のコンセプトは、日本酒カクテルを入り口にして、日本酒本来の楽しみ方を伝えることにあります。

そのコンセプトに則って申しますと、 『カクテルに向く日本酒』というものはなく、それぞれの蔵元の味わいを最も表現している定番酒、特に蔵の特徴が出やすい純米酒で日本酒カクテルを作って楽しんでいただき、ベースに使用したお酒をそのままストレートでも飲んでいただく ことで、最終的にはトライアルユーザーが蔵元のお酒を好きになり、ファンになっていただきたいとの思いがあります」

ーーその他、美味しくカクテルを作るための日本酒選びのポイントがあれば教えてください!

見澤さん「『MOTOZAKE』がご提案するコンセプトの1つに “ファーム・トゥ・グラス” というものがあります。具体的には、 地酒の季節酒をベースに、同じ地元の、同じ季節の旬果実を使ったシンプルなカクテル で、トライアルユーザーが自然に地酒を楽しめるようにする提案です。

たとえば新潟の「吉乃川 基酒 JUNMAI」をベースに新潟の「ルレクチェ」と併せて楽しむ、さらに季節も取り入れて、晩秋~初冬が食べ頃の「ルレクチェ」と併せて秋の「ひやおろし」や初冬の「新酒」をベースにするなど です。

47都道府県全てに地酒があり、日本には四季があり、その季節ごとの季節酒が日本酒にはあります。世界の酒のなかでも、『四季にあわせた酒』が造られている日本酒ならではの楽しみ方ですね」

まとめ

自宅でも簡単に試すことができて、飲みやすく美味しい日本酒カクテル。日本酒が苦手な人にとっては日本酒を試す入り口になってくれますが、日本酒ファンにとっても、新しい日本酒の楽しみ方を拡げてくれるものになりそうです。

銀座にあるSAKE HALL HIBIYA BARでは、合計150種類以上の日本酒カクテルをプロのバーテンダーさんが作ってくれます。ストレートで味わうことのできる日本酒も60種類以上。現在は新型コロナウイルスの影響により休業中ですが、事態が収束した際には、ぜひ一度訪れてみてください。

SAKE HALL HIBIYA BAR:http://www.hibiya-bar.com/sakehall

また同店がプロデュースするカクテルベース専用日本酒「MOTOZAKE」の公式サイトでは、今回ご紹介したものも含めて多数のカクテルのレシピが掲載されていますので、いろいろ試してみると、さらに日本酒カクテルを楽しめるでしょう。アレンジしたレシピなども、ぜひSNSに投稿してみてください!

カクテルベース専用日本酒「MOTOZAKE」:http://motozake.com/

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