
2019.01
20
日本酒は太る?太ると言われる原因と太らない飲み方のコツを解説!
「太るから日本酒は飲まないんです」という言葉を耳にすることがあります。
日本酒はお米から作られているので、糖質が多く含まれていて太りやすいと思われているのかもしれません。しかし本当でしょうか?
日本酒をよく飲む人たちにとっては、特に気になるポイントですよね。この記事では、日本酒を飲むと本当に太るのか調べてみました。
日本酒は他のアルコールよりもカロリーが高いのか?
「太る」と聞いてまず思い浮かぶのがカロリーです。人間はカロリーを摂取することで太ります。逆に、カロリーを摂らなければ太ることはありません。
日本酒のカロリーは他のお酒と比べてどのくらい違うのか、100 mlあたりのカロリーを比較してみました。
お酒 | カロリー(kcal) |
---|---|
ジン | 284 |
ウォッカ | 240 |
ウイスキー | 237 |
ブランデー | 237 |
焼酎(甲類) | 206 |
梅酒 | 156 |
焼酎(乙類) | 146 |
日本酒 | 103 |
ワイン | 73 |
発泡酒 | 45 |
ビール | 40 |
日本酒は100 mlあたり、103 kcalです。ビールは40 kcalと一番低いですが、日本酒1合(180 ml)のアルコール摂取量は、ビールに換算すると中びん1本(500 ml)程度なので、同じアルコール量を摂取した場合は、日本酒185.4 kcal、ビール216 kcalと摂取量にほとんど差はありません。むしろ、日本酒よりもビールのほうが飲みやすいので、結果的に飲む量は多くなることが考えられます。
よって日本酒は、他のアルコール飲料と比べて、カロリーが特別高いといえるわけではありません。
日本酒の糖質は本当に多い?
また、「お米から作られているから糖質が多い」というイメージがあるかもしれません。しかし、実は日本酒の糖質は、他のアルコール飲料と比べて特別に多いわけではありません。
文部科学省の「日本食品標準成分表」によると、100 gあたりの糖質量は、日本酒が約3.9 gであるのに対し、ビールは約3.8 g、ワインは約2.5 g程度です。製品の種類によって多少の差はありますが、量が同程度であれば、日本酒だけが格段に太りやすい糖質量ではないことがわかります。
アルコールに含まれるカロリーは太りにくい
そもそもアルコールから摂取したカロリーは「エンプティカロリー」と呼ばれ、体内に蓄積されず太りにくいと言われています。
お酒を飲んだときに体がポカポカ温かく感じたことはないでしょうか?これはアルコールから摂取したカロリーは、優先的に熱として放出することで消費されるためです。
しかし、まったく太らないということではありません。食品やお菓子などに比べると、摂取するカロリーはかなり少ないため太りにくいとはいえ、飲みすぎにはやはり注意が必要です。
太る原因はおつまみ
お酒を飲んだとき、ついつい食べ過ぎてしまったことはありませんか?
これは日本酒に限らず、ビールやワインなど他のお酒にも共通することですが、アルコールには食欲増進作用があります。
これは、アルコールが肝臓での糖新生(ブドウ糖を新しく作る働き)を抑制するため、血糖値が一時的に下がり、体がエネルギーを欲するようになることや、アルコールの影響で食欲をコントロールする脳の働きが鈍くなることなどが関係していると言われています。
その結果、私たちはエネルギーを欲し、つい食べすぎてしまいがちになります。特に、居酒屋によく並んでいる唐揚げやフライドポテトのような、油や調味料が多く使われた味が濃い料理は高カロリーです。お酒を飲んだときにこれらの高カロリーなおつまみを食べ過ぎてしまうことが、体重増加の一番の原因となるのです。
しかし、おつまみの選び方やお酒の飲み方を意識的に注意すれば、太りにくい飲み方ができます。以下にポイントをまとめたので、ぜひ参考にしてください。
太らないように飲むポイント
お水を用意する
お酒を飲むときは、お水も一緒に飲むようにしてください。チェイサーと言われることがありますが、日本酒の場合は「和らぎ水」と呼ばれます。
お水を定期的に口に運ぶことで、お酒を飲むリズムや食べ物を口に運ぶ頻度もゆるやかになるので、飲みすぎ食べすぎを予防する役割にもなります。また、口の中をリフレッシュできるので、日本酒の香味をよりじっくりと楽しむことができます。アルコールの分解には水が使われますので、十分な水分を摂取することで、二日酔いの予防にもなります。
酒飲みにとって、水を飲むとのは良いことばかり。特に、日本酒はアルコール度数もビールなどと比べて高いので、お供に水は必須です。
熱燗で体をあたためる
人間の体は、冷えていると、防衛反応から脂肪をためやすい状態になります。 脂肪をためやすい状態で、おつまみなどからカロリーを摂取すると、いつも以上に太りやすくなってしまいます。よって、「今日は寒いな」「冷房で体が冷えてしまった」と感じているときは、熱燗などで体を温めながらお酒を楽しむことをおすすめします。
日本酒の特徴の一つは、他のお酒に比べて飲用温度帯が広く、冷やから熱いものまで幅広く楽しめることです。この特徴をぜひ活用しましょう。
【参考】
カロリー、糖質の少ないおつまみを選ぶ
お酒で太る一番の原因は、おつまみからの高カロリー摂取です。よって、意識的にカロリーや糖質が少ないおつまみを選ぶことで、太るのを防ぐことができます。
揚げ物などの代わりに、野菜、きのこ、魚介類、発酵食品、大豆製品などを摂るようにすると、糖質も少なくなるためのでおすすめです。そう、日本酒にぴったりの和食は、まさにカロリーの低いおつまみなのです。
お酒に揚げ物などの相性がバツグンに良いのはわりますが、くれぐれも食べすぎないように注意しましょう。
休肝日を設ける
どんなお酒であっても、継続的な飲酒は肝臓への負担となります。ダイエットや健康維持の観点からも、アルコールの摂取量をコントロールするために、週に数日の休肝日を設けることは非常に重要です。肝臓を休ませることで、代謝機能の維持にもつながります。
まとめ
日本酒が他のお酒と比べて太りやすいというのは誤解で、おつまみなどお酒以外からのカロリー摂取が大きな原因であることを解説しました。
お水を定期的に飲んだり、揚げ物などの高カロリーな食べ物はなるべく摂らず、低カロリー低糖質のおつまみを食べることで、太るのを予防することができます。
体重や体型が気になると、日本酒も美味しく飲めなくなってしまいます。健康に気をつけながら、日本酒を楽しみましょう。
参考文献
- 文部科学省 科学技術・学術審議会 資源調査分科会, “日本食品標準成分表(八訂)増補2023年”, 令和5年4月, (2025年6月25日閲覧)
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