2019.01
21
日本酒の温度について徹底解説! - 熱燗、冷や、冷酒など温度別の呼び方や楽しみ方を紹介
日本酒の特徴の一つは、ワインやビールなど他のお酒と比べて飲用温度の幅がとても広いことです。
微妙な温度変化により香りや味わいが複雑に変化するため、同じ日本酒の銘柄でもその日の気分などで違った楽しみ方ができます。その一方で、誤った温度設定をすると、その銘柄の特徴や良さを殺してしまうこともあります。
日本酒を冷やしたり温めたりすることでどのように香味が変化するのか、そしてそれぞれの日本酒の適切な温度設定を学びましょう。
日本酒の温度表現
日本酒の温度を表現するには、「冷や」「常温」「熱燗」の3タイプで表現するのが一般的です。
- 「冷や」は、5-20度くらい
- 「常温」は、20-30度くらい
- 「熱燗」は、30-55度くらい を指します。
また、もう少し細かい温度表現もありますが、日本酒専門店や唎酒師のいるお店でないと通じないかもしれません。下に温度とその表現の対応表を載せましたのでご参考にして下さい。
呼び方 | 温度(℃) |
---|---|
雪冷え | 5 |
花冷え | 10 |
涼冷え | 15 |
日向燗 | 30 |
人肌燗 | 35 |
ぬる燗 | 40 |
上燗 | 45 |
熱燗 | 50 |
飛切り燗 | 55〜 |
日本酒を冷やす効果
日本酒を冷やした場合についてですが、基本的に以下のような効果があります。
- 香りは立ちにくくなるが、フレッシュさが増す
- 味わいがひきしまり、シャープになる
- 旨味が感じにくくなる場合がある
- 苦みや酸味が強くなる場合がある
ただし、冷やしすぎは禁物で、温度は5度を下回らないようにしましょう。これを下回ると味わいや香りが閉じてしまって、日本酒の特徴である旨味や豊かな香りを楽しむことができなくなります。
日本酒を温める効果
日本酒を温めた場合は、基本的に冷やした場合の逆の効果が得られます。
- 香りが豊かに広がる
- 味わいがふくらみ、まろやかになる
- 旨味がより芳醇になる
- アルコールの刺激が増し、より辛口に変化する
温めすぎも禁物です。アルコールの刺激が強すぎになったり、蒸発して香りが飛んでしまいます。
日本酒のタイプ別おすすめ温度
ではどのようにして、冷やしたほうがいいお酒と、温めたほうがいいお酒を見極めればよいでしょうか?
答えは、その日本酒の持つ個性をより高められる温度設定にするということです。
例えば、爽やかな味わいが特徴のものであれば、冷やすことでさらに爽やかさを強調することができますし、日本酒らしい旨味が特徴であれば、温めることでよりまろやかで豊かな旨味を味わうことができます。
ここでは、Sake Service Institute(SSI)が提唱する、香味による日本酒の4タイプ分類をもとにして、それぞれのおすすめ温度を紹介します。 (香味による日本酒の4タイプ分類の詳細はこちらをご覧ください)
薫酒(香りの高いタイプの日本酒)
(例:純米大吟醸、純米吟醸、大吟醸、吟醸など) おすすめ温度:8~15度
清涼感と優雅な香りが特徴のお酒なので、冷やすことで爽やかさが際立ちます。しかし、冷やしすぎると香りが感じにくくなったり、苦みや酸味などの刺激が強くなりすぎる場合があるので注意しましょう。
爽酒(軽快でなめらかなタイプの日本酒)
(例:生酒、ひやおろし、本醸造酒、普通酒など) おすすめ温度:5~10度
爽やかな味わいとフレッシュさが持ち味なので、これらの個性を生かすためにしっかり冷やすことをおすすめします。薫酒より苦みや酸味成分が少ないため、冷やしても苦みや酸味が強すぎになりにくいので、しっかり冷やしても大丈夫です。
醇酒(コクのあるタイプの日本酒)
(例:純米酒など(特に生酛、山廃系、原酒、無濾過タイプのもの)) おすすめ温度:15~20度または40~55度
温度によって香味が最も変化するのがこのタイプの日本酒です。お米の豊かな風味や、旨味成分を際立たせるためにやや温めて楽しむことをおすすめします。
熟酒(長期間熟成させたタイプの日本酒)
(例:古酒(秘蔵酒、長期熟成酒)など) おすすめ温度:15~40度
熟成酒といっても爽やかなものから芳醇なものまで多岐にわたるので、それぞれ適切な温度が異なります。基本的に、芳醇で旨味を強く感じるものであれば高めの温度帯で、爽やかさを感じるものであれば低めの温度帯で楽しむのがおすすめです。
まとめ
「幅広い温度帯で楽しむことができる」という日本酒の魅力を活かして、色々な日本酒を色々な温度で試すと楽しみも倍増します。日本酒の奥深さをより感じられることでしょう。
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