2023.08
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日本酒と海外レストランの提携は「マリアージュ」 - 「獺祭」「東洋美人」の事例にみる突破力の秘訣
澄川酒造場(山口県萩市)が製造する「東洋美人」が、2023年4月より、オーストラリア・シドニー発のオールデイダイニング「bills」国内外全店舗のハウス日本酒としてオンメニューされました。billsでのハウス日本酒の導入は、今回が初となります。
海外レストランとの提携といえば、「獺祭」の旭酒造(山口県岩国市)が2018年から昨年9月までジョエル・ロブションと提携し、フランス・パリにてレストランを経営していた「La Boutique Dassaï Joël Robuchon」の取り組みも印象的です。
海外レストランとの提携には、どのようなメリットがあるのでしょうか。澄川酒造場代表取締役社長・澄川宜史さんと、旭酒造代表取締役社長・桜井一宏さんに、海外レストランと提携する際のポイントや今後の話を聞きました。
“bills”にハウス日本酒・東洋美人を
──「bills」はパンケーキのイメージだったので、このたび「東洋美人」がハウス日本酒になったと聞いて、びっくりしました。
澄川さん:コロナ禍になり、日本酒のインバウンド需要や飲食店需要が落ち込んだのをキッカケに、海外を含め、今まで日本酒を試す機会がなかった方にも試していただきたいと思っているところにご提案いただきました。
もともと僕は、「bills」のディナーが好きなんです。本国オーストラリアも全店舗行ったし、コロナ前は韓国の店舗にもよく伺いました。創始者のビル・グレンジャー氏と福岡で会食して「東洋美人」を飲んでもらったこともあります。以前から酒カクテル(ギムレット)に使ってもらっていたご縁もあり、このたびハウス日本酒に選んでいただきました。
桜井さん:レストラン専用ラベルに貼り替え、海外レストラン1店舗のみとイベントやキャンペーンをおこなう、という事例は聞いたことがありますけど、酒蔵と海外レストランが継続的に提携する例はそう多くないですよね。僕も「bills」に日本酒が入るイメージはなかったので、驚きました。
──「bills」側としても、酒と料理を楽しむ“ディナー”のイメージを強化していこう、とbills 銀座をオープンされたとか。まずカクテルで採用して、さらに本格的に日本酒を扱おうと決心した末に、今回ハウス日本酒に選ばれたわけですね。
施工直前に計画白紙。ジョエル・ロブション提携までの道のり
──桜井さん、2018年に「ジョエル・ロブション」と共同でオープンした「獺祭」のレストランは、どのようにして実現しましたか?
桜井さん:もともと私たちが投資してフランスに店を出そうと模索するなかで、ある有名店プロデュースの和食店を出店しようとしていたのに、パリの物件も借りて施工間近というタイミングで、その話がダメになるということが起きたんです。
──えっ。そんな段階まで進んでいて、一体何が起きたんですか・・・?
桜井さん:一泊三日のパリ出張で最終契約をしに行ったら、契約の不備をつかれて、地主から「ごめん。出て行って」と、突然立ち退きを余儀なくされたんです。計画が白紙に戻り、それならどうやってフランス市場にアプローチしようかというのを練っていた中で、ロブションさんから「僕と一緒にやらないか?」と連絡をもらいました。
──ロブションさんも、獺祭に興味はあったけれど、飲食業同士の関係性や道義的な面から、他のレストランと組んでいる間に声をかけることは控えていたのでしょうね。
桜井さん:私たちがフランスで本気で活動していこうとしているのが伝わっていたんでしょう。その時「和食よりも、俺のフレンチの方がお前の酒に合う」と口説かれて感動し、一緒にやることにしました。酒蔵としては嬉しい殺し文句ですよね。
──おぉ、フランス人らしいロマンチックなセリフ!そこから話を進め、2018年4月6日、パリのフォーブルサントノーレ184番地に「La Boutique Dassaï Joël Robuchon」※を開店しました。その後はすんなり話が進みましたか?
桜井さん:工期もずいぶん遅れたし、工事費も上振れしましたが、なんとか無事にオープンすることができました。
(※店舗は「ジョエル・ロブション」とのジョイントベンチャーで経営。その後、コロナ期間中に開店休業が続いた影響から2022年9月に閉店している)
「提携」がもたらしてくれるメリットとは
──海外レストランと提携する、最大のメリットは何だと考えていますか?
桜井さん:どちらも本気!という体制のなかで意見を出し合って、ガッチリとタッグを組んでやれるのがメリットだと思います。パリでレストランをオープンする時の私たちの要望はシンプルで、「獺祭が美味しく飲める店を出して、フランスで認知されること」だけ。互いに文化風習や歴史が違う人々が集まって、お互いの心をさらけ出し創り上げていくのは大変でしたが、お金の面の投資や業績拡大だけじゃなくて、こういう地道な活動こそもっとも大事だと考えています。
──澄川さんはまだスタートしたばかりですが、メリットについてどう考えますか?
澄川さん:今回は、PBを作るだけではなく、「bills」とのダブルネームの酒です。世界各国で「東洋美人」に触れていただき、知ってもらえるのは大きなメリットです。山口県の片田舎の酒が、世界的レストランである「bills」のハウス日本酒にしていただいたことは、大変うれしいことですね。酔うためでなく味わうための酒として、先代からやり続けてきたことが正しかったのだと、認められたようでした。
それと同時に責任も感じます。「bills」も「日本酒ならなんでもいいわけじゃない」という気持ちで、リスクを抱えながらうちだけに絞ってくれたわけですから。
桜井さん:澄川さんがいうとおり、両者にとって、メリットだけでなくリスクもある。馴染みのない日本酒というアルコール飲料をオンメニューしてお客さんがどう反応するかは読めないから、リスクは向こう側にもあるんですよね。お互いにリスクを抱えてやっていける相手がいるっていうのは幸せなこと。一緒に未知の崖を飛ぶようなチャレンジですね。
海外だからって媚びは売らず、提供方法だけ工夫する
──billsハウス日本酒の開発段階で印象に残ることはありましたか?
澄川さん:既存の商品を4種類(壱番纏(いちばんまとい)、醇道一途 直汲み生、醇道一途 酒未来、大辛口)をオーストラリア本社に送って、イメージをヒアリングするところからスタートしました。日本酒は必ずお猪口で飲むものだと思っていたようで、テイスティング時点で「ワイングラスで飲むの!?」と驚かれましたね。「風味も豊かに楽しめて、日本酒のイメージが変わるかも」というフィードバックをいただき、先方にも新しい発見があったようです。最終的に「東洋美人 醇道一途 酒未来」が選ばれ、それを基調にした酒を「bills」用に仕込んでいます。
──提携するにあたって“海外向け”の特別なアプローチはしていますか?
澄川さん:まだ浅い経験ではありますが、日本と変わらず、僕たちが美味しいと思うものを世界の人たちに知っていただきたいと思っているので、輸出も含めて、その国に合わせるということをやるつもりはないですね。
桜井さん:私も同意です。その国の味にカスタマイズしようと思っても無理が生じます。「フランスに出すからフランス料理に合う獺祭を開発しよう」ということは、まったく考えたことがない。現在進行しているアメリカも同じです。
提携って、自分たちが美味しいと思うお酒を、違う切り口から知ってもらうためのひとつの手段に過ぎないんですよ。だから、もしロブションさんが「獺祭の味を変えないとフランスで通用しないよ」と言っていたら、提携をやめただけの話なんです。長い目でみたら、無理に合わせて100ケース売れたからって、それが何になるんだって話。逆に、お互い認め合ったうえでコラボレーションをする中で、互いが影響し合って、最終的に酒が変化する可能性は十分ありえます。
国際化してきた世界の料理。日本酒が生きる場面は増えている
──なるほど。ブランドに誇りを持つことや、パートナーと常に対等であることは重要なのかもしれません。最近ではフレンチのシェフが山椒などの日本の食材に注目しているという話も聞きます。現実的に考えて、料理の方が日本酒に影響を受けることもありそうですよね。
桜井さん:それはあります。料理人さんには「食卓をより良いものにしよう」という想いがありますし、彼らは“酒も料理のひとつ“と捉えているような気がします。だから無理せずとも、自分たちの料理と合わせておいしいと思える酒を選ぶ、本能的な勘が働くのでしょう。たとえばホワイトアスパラガスやキャビアなど、ワインとの相性が難しかったものが「獺祭」だと生きるよね、と言われることも多いんです。
──たしかにソムリエの田崎真也さんも「ワインでは難しい食材でも、日本酒だと生きることがある」と言っていましたが、もとにあるものに日本酒をはめ込んで共存できる世界が自然ですね。
桜井さん:国際化の流れで、料理自体が変化している影響もあると思います。昔のフレンチはソースが濃厚、味もどっしりしていたからワインと相性が良かったかもしれない。でも今は、いろんな国の影響を受けて料理も変わっているから、日本酒が生きる場面も多くなっているんです。
澄川さん:日本酒は世界に類を見ないほど、繊細な発酵過程を経て完成するアルコール飲料。さまざまな人に知ってもらいたいけど、今まで海外の方が日本酒を飲める機会というのは、ほとんど日本食レストランに限られていた。そこを「獺祭」が各国進出していき、現地の文化に溶け込んだおかげで、日本酒の繊細さ、素晴らしさを著名な料理人さんたちに知っていただくキッカケになりました。「獺祭」の功績です。
「bills」「ジョエル・ロブション」だけでなく他の海外レストランを訪れる現地の人たちにとって、日本酒は非日常の酒。ワインと比べられるのはあまり好きじゃないけど、すでに世界酒になっているワインと肩を並べていくには、現地の日常に入り込まなくちゃいけません。
提携とは、覚悟を決めた者同士の“マリアージュ(結婚)”
──レストランと提携すると、それをキッカケにして他の新しい出会いはありますか?
桜井さん:それはなかなか難しいですね。提携することによって、私たちも澄川さんも他のレストランとは手を組みにくくなります。「あなたたち、フレンチとも何かやるのね」と興味を持ってくれるところもあると思いますが、「ジョエル・ロブション」と組めば、例えば「アラン・デュカス」や「ピエール・ガニェール」は、「ロブションとやってるもんね」と距離を取ってくるでしょう。プラスマイナス、両面あります。それを加味しても、「獺祭」の味を愛して、一緒に高い壁を「超えよう」と言ってくれる相手がいるというのは嬉しいことです。
──澄川さんは提携したあとの将来的なことはどう考えていますか?
澄川さん:将来のことをそこまで戦略的に考えているわけではないですよ。ただおいしい酒と料理を味わってほしい一心なので、この出会いもタイミングとフィーリングが合っただけ。それを未来に生かして積み重ね、この先も酒づくりを続けていけるように、というだけですね。
桜井さん:そうですね。考えすぎていたらなかなか前に進まないっていうのは大いにあります。要は、愛があるかどうか。ロマンティックなふわっとした話で恐縮ですが、コラボの話なども含めて、互いに愛があるかどうかか判断基準になります。「あなたにとって大きなメリットがあります」と、数字を見せられることもあるけれど、それ以上に大事なのは本気で「獺祭じゃなきゃいけない」と思って、多少困難があっても一緒に乗り越えてくれるかどうかです。
澄川さん:本当にそこだと思います。うちと「獺祭」は同じ山口県の酒蔵。今でこそ生産量が山口県1位「獺祭」、2位「東洋美人」になったけれど、僕らの父の時代はどちらも下から数えて何番手……だったんです。その頃から考えると、驚くような世界的企業から声をかけていただくようになりましたけど、最終的には心がこもっているかどうか。声をかけてもらったその場の勢いやフィーリングみたいなものもありますね。
──まさに“マリアージュ”ですね。最近料理と酒をペアリングと呼ぶことが多いですが、おふたりの話を聞いていると“結婚”を意味する「マリアージュ」という言葉がしっくりきます。
桜井さん:結婚と同じで、失敗も成功もある。失敗したとしても、それでも「やっぱり結婚してよかった」ってなるかもしれないし。……別にうちの夫婦の話をしているわけじゃないですからね(笑)
よく“30代女性に合う酒”“富裕層にウケる酒”などリサーチをしましょうか?という営業がきますけど、私たちは聞き入れるつもりがないです。自分たちが好きな酒をつくり、日本文化を背負って世界に出て行き、徐々に変容していって、その先でさらなる未来が見えていくと思っています。その結果として味わいに変化が出てくる、ということはあるでしょうけどね。
現地化:和食店で飲む酒から海外で日常的に飲まれる酒へ
──現在「獺祭」は世界最大の料理大学CIA(The Culinary Institute of America)※と提携して、ニューヨークでの酒蔵建設を進めています。CIAとも愛のあるお話ができたということですか?
※CIAでは日本食やSAKEのプログラムが存在し、学生が訪問学習する酒蔵として、建設予定の「Dassai Blue」を支援。授業プログラム「SAKEコース」も旭酒造が監修済。「Dassai Blue」は、今秋の仕込みスタートを目指し進行中。
桜井さん:そうですね。彼らから「日本酒を本気で学びたい!」という熱意を見せられてスタートしました。私たちへの愛や信頼も感じ、彼らが何のためにアメリカに来て欲しいか?なぜ「獺祭」じゃなきゃいけないのか?という点もしっかり理解できました。
日本酒も含め、一緒に“食の世界”をもっと拡大していけるよね、と将来への理想を共有できたのも大きな決め手でしたね。まさにCIAは“マリアージュ”といって良い相手。「世界最大の料理学校」というのも大切ですが、私たちも話し合いのなかで、「面白そう」「これならやってみたい」と心躍りました。ビジネス的な提携以前にもっと基礎となる、大切なことです。
──以前、SAKE Streetの別の企画で桜井さんにうかがった話では、“獺祭を現地化する”ということを見据えて活動されていたというお話がありました。
桜井さん:そうです。「現地化」っていうのは、現地向けの味を出すという意味ではなく、私たちのお酒のいいところを引き出して、現地のお客様との接点を作り、混じり合わせていくという意味。いろんな人に飲んでもらう切り口を持つには、より尖った結果、世界中の尖った人たちの心に刺さる結果になるかもしれないし、より間口を広げるべきかもしれないし。関わりのなかで、私たちが良いと思うものも変化していくだろうから、それは私たちにもわかりません。
──澄川さんは、桜井さんが言う「現地化」についてどう思われますか?
澄川さん:「bills」と、具体的な未来の話はしてないけれど、今回ハウス日本酒に選んでいただいたことは、日本酒を世界的なアルコール飲料にしていくという義務が僕たちにはあると思っています。日本酒=日本食という組み合わせ以外の世界を拡げ、ワインと肩を並べるくらい日常化を目指していきたいと思っています。たぶん桜井さんが言う「現地化」と同じ意味だと思います。
酒蔵が個々に飛び出していくことで得られる「日本酒への信頼」
──海外で日常的に飲まれる「現地化」を目指すために、具体的にどのようなことが大切だと思いますか?
桜井さん:個々の酒蔵が、自分たちのブランドを背負って、自分たちの想いを持って活動していくことが大切だと思います。団体でまとまって推進していくのもひとつの手段ですが、たとえば県や地域単位で海外の試飲会をおこなったとして、その場で言う「全部おいしいですよ」っていうのは、真実なのでしょうか。「獺祭」と全く違う酒質の酒蔵が並んだとして、「どっちがおいしい?」と現地の人に聞かれたら、あいまいに「どちらもおいしいですよ。好みによります」としか言えません。でも、それぞれの蔵は、自分の酒が一番おいしいと思っている。こういうイベントは、お互いの尖ったところを消してしまう部分もあると思うんです。
だから、私たちがやっているのは「自分たちの日本酒はおいしい」と伝える活動。「私たちがおいしいと信じる日本酒はこれです!試してください!」っていうスタンスのほうが、相手も共感しやすく、信頼性が高いと思います。
澄川さん:僕も単独で行動してみて、実感しました。国内外問わず蔵元がまとまって試飲会をおこなうという活動も日本酒を知っていただく貴重な場。だけど、その後具体的に何があるかというと難しい。時間もお金もたくさんかかるし、リスクも分散されず一社にかかってくるのを受け入れる覚悟を持たないと、得られるものが少ないのも事実です。
「獺祭」は、世界に「日本酒の銘柄はなんでもいいわけじゃない」と知らしめることで、個別に勝負できる土壌を作ってくれたと感じています。そこからリスクを冒してでも出ていけるかどうかは、この先の勝負のポイントだと思います。大前提として、設備投資をしておいしい酒を造り続けているかどうか。そのうえでフットワークが軽いかどうか、動き慣れているかどうか。決断ができるかどうか。
桜井さん:そう思います。単独で進むっていうのはリスクがあると同時に、私たちが思い通りのことができるという良い面も大きい。みんなで行くと、足並みを揃えないといけなくて、それがある意味でのリスクになりますから。
酒造業界の先頭を走る2蔵。今後の目標は?
──最後に、今後の目標や課題を聞かせてください。
澄川さん:「東洋美人」は、これからも伝統産業の誇りを持った王道の酒づくりを続けていくのみです。奇をてらえばブームにはなっても文化にはなりえません。我々は受け継ぎ、次の世代に渡すことが使命。楽しく醸して、自分が飲んでおいしい酒をつくり届け、みなさんが楽しそうに飲んでいる姿を見ていきたいと思います。
桜井さん:コロナ禍でどこも行けない状況から一転。今、私たちはとにかく、いろんな国に行ってキャッチアップしている最中です。3年間行かない間に市場がもう1ステップ進んだ感じがします。海外には、まだ掘り起こしていける部分がある。
同時にコントロールが効かない状態で、常温で販売する店など「ここにはできれば入って欲しくないな」という場所にも入ってしまっているので、私と海外担当者数名とでいろいろな国を行けるだけ回り、現地の卸売業者の冷蔵庫まで行ってボトルを触り、温度や管理方法をチェックしています。海外の未成熟な市場では、レストラン提携以前にもっとも大事なことかもしれません。
理想としては、国内でも海外でも和食じゃないレストランにふらっと入って、隣の人が「獺祭」を飲んで「うまいな~」って言ってくれている風景を見たいんですよ。そのために、今はとにかくアメリカに全力集中。戦略的に何かコラボレーションやっていこう、ということはないけれど、逆にワクワクするようなことがあれば、「Dassai Blue」はなんでも挑戦します。
まとめ
「海外レストランとの提携」という切り口で、山口県の2蔵からお話を伺いました。技術的な話が出てくるかと思いきや、酒造りに対する熱い想いがほとんど。海外レストランとの提携は”マリアージュ”という話に、自社の酒への愛を感じ胸を打たれました。さらに集団行動だと突出した良さが削られてしまうから、各酒蔵が個別に海外と渡り合うべきだ、という話は、真実味を帯びていました。
国内向け、海外向けというのではなく、揺るぎない「この酒こそ美味い」「この酒を飲んでくれ」と言えるブランドが確立しているからこそ、「獺祭」「東洋美人」ともに指名して求められ、海外でも日本酒の可能性を広げていくことができているのでしょう。「Dassai Blue」をベースとする旭酒造のアメリカ本格進出や、「東洋美人」のbillsハウス日本酒採用は多くの酒蔵に希望と刺激を与えていくことと思います。どの蔵が続き、シーンにどんな変化が起こっていくのか、今後が楽しみです。
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