
2026.04
07
ペアリングとは、お酒などの飲みものと相性のよい料理を合わせること。
お酒好きの食いしんぼうにとっては楽しいコンセプトで、ちまたではビールとのペアリング、ワインとのペアリング、日本酒とのペアリングなどがあふれています。
でもこのペアリング、ちょっとめんどくさいんですよね……。お酒を選ぶのも、お酒に合った料理を作るのも面倒な私のような人間は、おうちペアリングはさっさと諦めて、お店でプロ が選んでくれたお酒と作ってくれた料理を食べるべきなのでしょう。
それでも、家でも日本酒と料理を気軽にペアリングしたい願望を捨てきれない──そんな人間が、気軽に日本酒とおつまみの相性を体験できるようになるためにスタートした「日本酒ずぼらペアリング」シリーズ。
日本酒料理研究家・ももたそが、スーパーで買える日本酒での超カンタンペアリングを伝授してくれます!


ももたそさん、よろしくお願いします。今回お願いしたいのは、「ワ ンカップ 大関」に合うメニューです。

「ワンカップ 大関」は正式名称「上撰 金冠 ワンカップ」。東京オリンピックが開催された1964年に誕生し、「宅急便」や「バンドエイド」に並んで一般名詞として使いまわされてしまうほど親しまれています。
※「ワンカップ」は大関の商標で、それ以外のこの形状の日本酒は「カップ酒」と呼ぶのが正解。

前回の「白鶴 まる」は糖類・酸味料も添加されている普通酒でしたが、こちらは醸造アルコール添加のみですね。

「ワンカップ」は「まる」よりも酸が立っていて、スパッと味を切るお酒です。「まる」も余韻が短いので似ているように思えるかもしれませんが、合うおつまみが結構違うんですよ。

前回も思ったけど、スーパーで買える日本酒の味わいに詳しすぎる。「まる」とは違うおつまみが出てくるとのことで、楽しみにしています!

まずは1品目。焼いたちくわです。


デジャヴュだ。

え?

またちくわ焼いとるやないか! 「まる」とは違うレシピにするって言ってたのに、ウソつき!


いやいや、よく見てください。さっきと違いますよ。

ん?


大葉?

そう。「ワンカップ」は大葉が合うんですよ。食べてみてください。
(おそるおそる、試食)

ヤバい。口の中に広がっていた大葉のミステリアスな香りが、「ワンカップ」に包まれて美しく消えていきました。感動するレベルでフィットしますね!

ちなみに、「まる」と大葉は合わないです。

本当に? あんまり変わらなさそうなのに。
(「まる」と大葉を試食)

本当だ!なんか口の中で「にやにや」したものが残る。なんで!?

大葉はフェノール系の青い香りがあって、揮発するのが早くてシャープなんです。「まる」は料理の邪魔をしないお酒なんですが、刺激をリセットする力は高くないので、青っぽさが浮いちゃうんですよね。

なるほど。「まる」の「余韻が短い」と「ワンカップ」の「スパッと味を切る」は似てるようで違うんですね。

「ワンカップ」は酸が立っているので、味や香りを整理して切ってくれるんですよ。要は、リセット力が高いんです。

大葉を添えるだけで合わせ方が変わるなんて、びっくりです!
「焼くだけちくわの大葉添え」
材料
・ ちくわ
・ 塩
・大葉
レシピ
1. ちくわを食べやすい大きさに切る(または、ちぎる)
2. フライパンに油を引かず、焦げ目がギリギリつかないくらいの状態まで焼く
3. 塩をひとつまみ振りかける
4. 細かく刻んだ大葉を添え、ちくわと一緒に食べる

2品目は、豆腐と舞茸の炊き合わせです。


おお、包丁がいらないメニューですね。豆腐はスプーンで崩せるし、舞茸は手でちぎれるし。

市販の白だしをかけてレンチンしたものです。

またしても簡単。

(試食)

ああ、白だしの味が沁みる。「ワンカップ」、舞茸の香りとよく合うなぁ。お酒の甘味が花開く感じがしますね。

豆腐・舞茸・白だしは、旨味はあるけど輪郭がふわっとした料理。ここに「ワンカップ」の香りと刺激を足すことでキレイな輪郭が現れるんです。

確かに、そのままだとほっこり優しい味わいですが、お酒と合わせることで料理の味も引き立ちますね。出汁が染み込んだ豆腐、と永遠に飲めちゃいそう……。

日本酒を合わせることで完成するタイプのペアリングです!
「豆腐と舞茸のレンチン炊き合わせ」
材料
・豆腐
・ 舞茸
・ 白だし
レシピ
1. 豆腐をスプーンですくい、舞茸を食べやすい大きさにちぎって耐熱皿に入れる
2. 白だしをかける
(商品の説明を読み、適宜薄める)
3. ラップをかけ、舞茸に火が通り、豆腐にだしがしみるくらいまで温める
(めやす:2分くらいで一度取り出し、混ぜ合わせながら様子を見てさらに温める)

勉強になりました。「まる」と「ワンカップ」でこんなに合う料理が違うとは!

それぞれの酒蔵さんの個性でもありますが、メーカーとしての企業努力でもありますよね。

豆腐と舞茸の旨味が溶け込んだダシでツーカップ行けてしまいました。おそろしい。

次はどんなお酒でいきましょうか?

定番だけどちょっと変化球で、「菊正宗 樽酒」はいかがでしょう?

いいですね! これまでの二つとはぜんぜん違う合わせ方になると思います!
というわけで、次回は「菊正宗 樽酒」に合うレシピをご紹介します!乞うご期待!
Pickup記事
2021.10.27