おうちスパイスで七変化!パワー系日本酒「菊水 ふなぐち」でずぼらペアリング

2026.08

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おうちスパイスで七変化!パワー系日本酒「菊水 ふなぐち」でずぼらペアリング

酒スト編集部  |  スーパーの日本酒でずぼらペアリング

ペアリングとは、お酒などの飲みものと相性のよい料理を合わせること。お酒好きの食いしんぼうにとっては楽しいコンセプトで、近年は日本酒のペアリング専門店なども増えています。

でもこのペアリング、自分でやるのはちょっとめんどくさいんですよね。お酒を選ぶのも、お酒に合った料理を作るのも面倒な私のような人間は、お店でプロが選んでくれたお酒と作ってくれた料理を食べるべきなのでしょう。

それでも、家で日本酒を飲むとき、料理と気軽にペアリングしたい! そんな人間が、気軽に日本酒とおつまみの相性を体験できるようになるためにスタートした「日本酒ずぼらペアリング」シリーズ。

日本酒料理研究家・ももたそが、スーパーで買える日本酒での超カンタンペアリングを伝授してくれます!

今回の日本酒は「菊水 ふなぐち」!

菊水 ふなぐち
編集部

ももたそさん、よろしくお願いします。今回お願いしたいのは、「菊水 ふなぐち」に合うメニューです。

編集部

新潟県新発田市の菊水酒造が1972年に発売した日本初のアルミ缶入り生原酒。「ふなぐち」とは、もろみをしぼる「槽(ふね)」からお酒が流れ出てくる部分のことで、当時はまだ蔵でしか飲めなかったフレッシュな味わいを缶に詰めてあらゆる市場に届けることを可能にした超画期的なお酒ですね。

編集部

精米歩合70%、醸造アルコール添加、つまり「本醸造」の生原酒で、アルコール度数は19%。シロップみたいな濃厚な甘味と日本酒ならではの旨味においしい! 飲みやすい! とぐいぐい飲んでいるうちに気づいたらハイになっている、ストロング系顔負けのお酒です。

ももたそ

「菊水 ふなぐち」は完全にパワー型のお酒ですね。高アルコールで味も濃いので、ペアリングも強いものをぶつけることになります。コクのあるものやこんがり焦がしたメイラード系、スパイスなどを積極的に合わせていきましょう!

1品目「クリームチーズの味噌マヨ添え」

クリームチーズの味噌マヨ添え
ももたそ

1品目は、クリームチーズの味噌マヨ添えです。

編集部

チーズ警察に「チーズじゃない!」と怒られそうですが、今回は「キリ クリーミーポーション」を使いました。このペアリングに関してはどちらでもいいそうです。

ももたそ

クリームチーズ的なものに、味噌とマヨネーズを混ぜたものをつけて食べます。

編集部

ビジュアルとしては、「白って200種類あんねん」みたいな組み合わせですね……まあ、いただきましょう。


(試食)

編集部

完全に一致している。

ももたそ

おわかりいただけましたか。

編集部

ふなぐちのぽってり感が、チーズと味噌マヨのコクに重なって、きれいに馴染んでいきますね。味の構成が同じかたちだ!

ももたそ

チーズと味噌には、どちらも発酵由来のコクと旨味がありますよね。マヨネーズは油脂と卵黄のコクがあるんですが、酸味が重たくなりすぎないように調整してくれます。

編集部

味噌とマヨはどれくらい混ぜるといいんですか?

ももたそ

味噌1に対してマヨ2くらいの比率です。

編集部

マヨ多めなんですね。

ももたそ

今回は合わせ味噌にしました。吟醸系のお酒には白味噌が合いますよ。

編集部

吟醸×白味噌、香りも合いそう。火も使わなくていいし、いいペアリングですね!

「クリームチーズの味噌マヨ添え」
材料
・クリームチーズ(キリ クリームポーションで可)
・味噌(合わせ味噌)
・マヨネーズ
レシピ
1. 味噌とマヨネーズを、味噌1:マヨネーズ2の割合で混ぜる
2. クリームチーズにつけて食べる

2品目「にんじんみりん醤油ソテー 〜家庭にあるスパイスを添えて〜」

にんじんみりん醤油ソテー
ももたそ

2品目は、にんじんみりん醤油ソテーです。

編集部

「つき」のときも出ましたね、にんじん。

ももたそ

いつでもどこでも買えるし、調理法で味の方向を変えやすくて便利です!

編集部

にんじんとちくわがあれば日本酒おつまみはカバーできそうですね。

ももたそ

ちくわよりも、みずみずしくて華やかさのある日本酒に合わせやすいですね。加熱すると甘みが出るので、そこにみりんと醤油の甘旨・香ばしさを重ねると、ふなぐちの濃い甘旨味と釣り合う味になります。

ももたそ

ちなみにみりんはしっかり煮切ってください! アルコールを飛ばしきらないと、ふなぐちのアルコール感と合わさって重くなっちゃうので。


(試食)

編集部

ほう! おつまみだけ食べると正直甘いかなと思ったんですが、ふなぐちと合わせるとちょうどいい気がする。

ももたそ

ところがこのレシピ、ここからさらに進化します!

編集部

な、なんだってー!?

おうちスパイスで七色ペアリング!

にんじんみりん醤油ソテーとスパイス
ももたそ

この料理には家庭にあるスパイスを添えて食べてほしいんです。何を足すかで、ペアリングの感じ方がまるごと変わるので! まずは黒胡椒から試してみてください。


(試食)

編集部

さっきまで舌に残っていた重さがスパッとなくなりましたね。

ももたそ

黒胡椒のピペリンが後味に鋭さを作るんです。

編集部

ピペリン、かわいい。甘旨ペアリングもよかったですが、キレが出てどんどん飲めるようになりますね!危ない。

ももたそ

次は山椒です。粉でも、実を軽く叩いたものでもOKです!


(試食)

編集部

お! なんか高級感が出た。

ももたそ

山椒はシトラス系の香りがあって、甘味の輪郭を引き締めてくれるんです。シビレもあるので、立体感のある甘旨に変身します。

編集部

ちょっとイイ和食っぽくなりました。

ももたそ

次は一味唐辛子。これは甘さに対して対立軸を作る役割です。


(試食)

編集部

これは……ふつうにうまい

ももたそ

パンチがある、ちょっとジャンク系のうまさになります。

編集部

居酒屋メニューっぽくて、お酒が進みます。危ない。

ももたそ

酒の消費速度を上げたいときに使ってください。

編集部

19%のお酒の消費速度を上げるのはよくない。

ももたそ

スパイス以外だと、レモンもいいですよ。


(試食)

編集部

軽くなりました。食べやすい!

ももたそ

黒胡椒+レモンが一番わかりやすくておすすめです。もう少し和っぽく締めたいなら、山椒+お酢の組み合わせもいいですよ! クミンも方向性がガラッと変わってエスニックになるので、ぜひ試してみてください。

編集部

エスニック、気になる!

【ふなぐちに使えるスパイス・調味料6種】

役割お酒の感じ方向いている場面
黒胡椒アルコールの“重さ”を切るキレのある甘旨食中酒として流したいとき
山椒甘さを締める立体感のある甘旨酒を格上げして見せたいとき
一味唐辛子甘さに対立軸を作るパンチのあるジャンク寄りの旨さわかりやすいうまさが欲しいとき
レモン軽やかに抜く明るく飲める甘旨飲み疲れ防止、軽さ重視
(米酢/赤酢)全体を締める締まりのある濃厚系酒をしっかり味わいたいとき(※酢は数滴で!)
クミン(パウダー)甘旨を異国化する日本酒×和惣菜がエスニック×甘旨酒にペアリングを再構築したいとき

「にんじんみりん醤油ソテー 〜家庭にあるスパイスを添えて〜」
材料
・にんじん
・サラダ油
・みりん
・醤油
・お好みのスパイス・調味料(黒胡椒、山椒、一味唐辛子、クミン、レモン、酢 など)
レシピ
1. にんじんを食べやすい大きさに切る(切り方はテキトーでOK)
2. フライパンに少しだけ油を引いて、弱火でにんじんをじっくり焼く
3. にんじんに火が通り、少し焼き色がついたらみりんを加える
4. みりんのアルコールを飛ばしたら、醤油を加え、焦げ目がつくまで焼きからめる(みりん:醤油=1〜2:1)
5. 好みのスパイスを少しずつつけながら楽しむ

ふなぐちペアリングはどんどん足していこう!

編集部

料理1品で、何通りも楽しめてしまった。ずぼらなのに贅沢!

ももたそ

引き算が正解の酒と、足し算が正解の酒があるんですよ。「つき」は引き算、ふなぐちは足し算が正解です。

編集部

シリーズを通して思いますが、お酒ごとに考え方が全然違うんだな。スーパーで買えるのに……。

ももたそ

次も、同じ材料でまったく違うペアリングを考えましょうか。

編集部

じゃあ、次回は「獺祭 純米大吟醸45」でお願いできますか? いまやスーパーでも手に入る機会が増えた、プレミアムな日本酒です!

ももたそ

まかせてください!

というわけで、次回は「獺祭 純米大吟醸45」に挑戦!お楽しみに!

「菊水 ふなぐち」のペアリングのポイント

  • 強いお酒には強いおつまみ。コクと塩味をしっかり足す。
  • メイラード(焼き・焦げ)と好相性!
  • スパイスひと振りで味の行き先が変わる。迷ったら黒胡椒+レモン。
【スーパーの日本酒でずぼらペアリング】
第1回:「白鶴 まる」
第2回:「ワンカップ 大関」
第3回:「菊正宗 純米樽酒」
第4回:「月桂冠 つき」
第5回:「菊水 ふなぐち」

ずぼらペアリングシリーズ一覧はコチラ

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