日本酒POPは“もうひとりの店員さん”。全国の日本酒好きの推しPOPをご紹介!

2026.02

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日本酒POPは“もうひとりの店員さん”。全国の日本酒好きの推しPOPをご紹介!

酒スト編集部  |  日本酒をもっと楽しめる名店

酒販店に行ったとき、お酒の値段と並んで、その味わいや特徴が書かれたカードを見かけたことはありませんか? これはPOP(ポップ)と呼ばれており、“Point of Purchase”の略で、売り場で商品の魅力を伝えるツールとしてよく使われています。

お店のスタッフと話すことなく、POPを見てお酒を選ぶという人も少なくないのではないでしょうか。日本酒のPOPは、日本酒の魅力を短い言葉で伝え、「飲んでみたい!」と思わせてくれる、いわば“もうひとりの店員さん”ともいえるでしょう。

全国の酒販店には、個性豊かで魅力あふれる日本酒POPがたくさん!

今回、SAKE StreetではSNSを通じて日本酒ファンから“推し日本酒POP”を募集。この記事では、その中から特に魅力的なPOPをピックアップし、お店の人のこだわりポイントとともにご紹介。さらに、その中から2軒のお店にPOPにかける想いをインタビューしました。

全国の「推し日本酒POP」ギャラリー

まずは、SNSで寄せられた”推し日本酒POP”をお店の方のコメントとあわせてご紹介します。

かき沼千住 nomiyoko 店(東京・北千住)

かき沼千住nomiyoko店のPOPは、お酒の味をイメージしやすいコメントが魅力的です。ときどき見かけるワンポイントの可愛らしいイラストも要チェック。スタッフがPOPに書くお酒をきちんと飲んで、自分で感じた味わいを書いているそうです。

●店舗情報
かき沼千住 nomiyoko 店
住所:東京都足立区千住1-33-10
電話番号:03-6806-1670
WEBサイト:https://www.instagram.com/kakinuma_nomiyoko/

地酒屋こだま(東京・南大塚)

地酒屋こだまのPOPは、店主である児玉武也さんの想いが溢れんばかりに書いてあります。お酒の特徴はもちろんのこと、合う肴などが書いてある一言メモは、お酒選びには見逃せません。

児玉さんによると、POPに書くお酒を実際に飲みながら”リアル”を伝えることを大切にしているそうです。

●店舗情報
住所:東京都豊島区南大塚2-32-8
電話番号:03-3944-0529
WEBサイト:https://www.jizakeyakodama.com/

酒の勝鬨(東京・築地)

酒の勝鬨のPOPは、コーナーごとに書いてあるPOPと、お酒1本ずつに付けてあるPOPの両方に、お客様が実際に飲む場面を想像しやすい丁寧なコメントが書いてあります。 店長の平田さんによると、お客様にお酒の特徴が伝わる、わかりやすいPOPにすることを心がけて書いているそうです。

●店舗情報
住所:東京都中央区築地7-10-11
電話番号:03-3543-6301
WEBサイト:https://katidoki.com/shop/

ゴーショップ ごとう屋(愛知・名古屋)

ゴーショップ ごとう屋のPOPは、インパクトのあるお酒のイラストと個性的な文字と色合いでお客様の目を惹きます。お酒の特徴を伝えるため、お客さんと日常の会話をするときのような、語りかける表現になっています。

●店舗情報
住所:愛知県名古屋市北区八代町1-10-1
電話番号:052-912-2222
WEBサイト:https://gotoyasake.com/

ちきゅう屋(福岡・糸島)

ちきゅう屋のPOPは、ユニークでダイナミック。お客さんに「え、なに?これ?」と思ってもらうことが狙いで、「このPOPのお酒ください!」と言ってもらえることも多いそうです。

●店舗情報
住所:福岡県糸島市志摩小金丸2105-1
電話番号:092-330-5630
WEBサイト:https://chikyu-ya.jimdofree.com/

恵比寿屋商店(長野・松川)

恵比寿屋商店のPOPは、まるで美しい紙芝居を見ているような世界観があります。「POPを見たときのおもしろさだけではなく、日本酒にまつわる物語やお酒の特徴などを紹介して、日本酒に興味を持ってほしい」 という思いを込めて書いているそうです。

●店舗情報
住所:長野県下伊那郡松川町上片桐3309
電話番号:0265-37-2020
WEBサイト:https://ebisuya-matsukawa.com/

True Sake(アメリカ・サンフランシスコ)

日本を飛び出してアメリカの酒販店から。True SakeのPOPは、日本酒に親しみがない現地の人に向けて、ビールやワインの例や、ペアリングを書いているところがポイント。お酒の味わいの説明も、オーナーのボー・ティムケン氏の優れた味覚をもって詳細に書かれています。

●店舗情報
住所:556 Hayes St, San Francisco, CA 94102 アメリカ合衆国
WEBサイト:https://www.truesake.com/

魅力的なPOPを作る秘訣とは?

思わずその日本酒が飲みたくなってしまうようなPOPは、どのようにして生まれるのでしょうか。今回、編集部が特に気になった福岡県の十亀(とがめ)酒店と静岡県の大村屋酒店にインタビューしてみました。

温かい筆文字と和紙POPでお酒選びをサポート - 十亀酒店(福岡・北九州)

──POPを作り始めたきっかけを教えてください。
35年ほど前、大手ビール会社のPOP教室に参加したことが始まりでした。POPをひと目見たお客様が、その商品の特徴を瞬時に理解できるのがいいですね。

──POPを作るときに意識していることはなんですか?
伝えたい言葉を短く、大きくレイアウトすること。そして、ごちゃごちゃ描かないことです。

──温かみのある筆文字POPに至った背景は?
若い頃に漫画やイラストを描いていた経験から、地酒の世界でよく使われる筆文字に惹かれ、ペンから筆へ持ち替えました。和紙を使っているのは、先輩のお店のメニューを見て良いと思ったからです。さらに、地元福岡の和紙職人さんとの出会いも大きな転機になりました。

──店舗でのPOPの陳列場所など、POPを書くときに意識していることはありますか?
POPは店頭の正面ディスプレイに置き、必ず視界に入るように配置しています。A6サイズに縮小したPOPは飲食店のメニュー用にも利用されているため、左下には売価を書ける余白を作っています。時には、一般のお客様が記念に持ち帰ることもあるほどです。

──十亀酒店にとってPOPとは?
「自分の代わりに営業してくれる存在」。筆文字を生かしたPOPは、当店の大きな強みです。

●店舗情報
住所:北九州市八幡東区祝町2-10-19
電話番号:093-651-4273
WEBサイト:https://togamesaketen.jp
取材協力:十亀 秀暢様

夫婦で作る、味のあるPOP - 大村屋酒店(静岡・浜松)

──POPを作り始めたきっかけを教えてください。 以前は「名前・産地・米・精米歩合・酒度・価格」のみを書いていました。しかし、それだけでは美味しさや温度感が伝わらないことに気づき、「お客様に“味の情景”を想像してほしい」という思いから、現在の手書きPOPになりました。

──どんなときにPOPのアイデアが浮かびますか?
晩酌のとき、料理をしているとき、スーパーで肴を選んでいるとき……。接客中にふと出た言葉や、他のお店での気づきなど、日常の中にヒントがあります。

──POPを書くときに意識していることはありますか?
特別なルールよりも「自分たちの言葉」を大切に。上手い下手よりも“夫婦で書いた手書きの温かさ”が魅力だと思っています。

──大村屋酒店にとってPOPとは?
「モノより思い出」を大切に伝えてくれる存在。「この間のお酒、カツオに合わせたら本当に美味しかったよ」「今日はいいことがあったから大村屋さんで買おうと思った」など、お客様の言葉が、POPをつくる活力になっています。

●店舗情報
住所:静岡県浜松市浜名区細江町気賀74-7
電話番号:053-522-0239
WEBサイト:https://www.instagram.com/hisanori.kume/
取材協力:久米 久乃利様

POPがつなぐ日本酒の未来

このように、日本酒POPには酒屋で働く人々のリアルな声が詰まっています。実際に飲んだ日本酒の感想、店主やスタッフの個性、日本酒への愛……。だからこそ、ユニークな日本酒POPは、それだけでお客さんを惹きつけるものです。

スタッフと会話するのが照れくさくても、自分のペースで、お酒のことを理解しながら選ぶことができる。それもまた、POPの大きな魅力ではないでしょうか。

次に酒販店を訪れたときは、少しPOPを意識して見てみてください。「このお酒はどんな味なんだろう?」「このお店はどんな想いで日本酒を売っているんだろう?」という問いに対する答えが、伝わってきて、日本酒選びがさらに楽しくなるはずです。

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