日本酒の正しい保存・保管方法とは? - 劣化の原因や適切な温度、保管場所を解説

2019.01

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日本酒の正しい保存・保管方法とは? - 劣化の原因や適切な温度、保管場所を解説

酒スト編集部  |  日本酒を学ぶ

日本酒をおいしく飲むためには、保存方法にも注意する必要があります。

日本酒は「生き物」と表現する人もいるほど、とてもデリケートなお酒です。保存方法を間違えると劣化してしまうため、しっかりと保管にも気を使うことが美味しく味わうポイントです。

今回は日本酒の適切な保存方法および、保管に気を使うべきポイントを紹介していきます。

日本酒を劣化させる原因

そもそも、日本酒はなぜ劣化してしまうのでしょうか。日本酒を劣化させる主な原因は「温度」「酸化」「紫外線」の3つです。

温度

日本酒を常温以上で放置すると、日本酒の中に含まれる成分が化学変化し、老香(ひねか)と呼ばれる不快な臭いを発生させてしまいます。また、激しい温度変化も酒質に悪影響を与えてしまいます。

酸化

日本酒を開栓すると、空気中の酸素に液体が触れます。その酸素が液体内でさまざまな反応を起こし、味わいが変化してしまいます。酸化がすすむと、色合いは褐色していき酸っぱくなってしまいます。

紫外線

日本酒は太陽光などから発せられる紫外線に弱いです。紫外線を浴び続けると劣化が進み、「日光臭」といったネギのような香りを発生させてしまいます。

以上が、日本酒の味わいや香りを劣化させる主な原因となります。よって、これら3つの原因から日本酒を守ることが適切な保存方法となりますので見ていきましょう。

日本酒を保存するための適切な温度

私はどの日本酒も冷蔵管理(少なくとも10度以下)することをおすすめしています。保存場所としては、冷蔵庫や軒下などがベストです。

部屋での保存は、たとえ寒冷地域でも気温が日中と夜で温度差がかなりあるので、日本酒の敵である「温度変化」により劣化させてしまう可能性があります。よって冷蔵庫以外であれば、ひんやりと暗い軒下や押入れの中などが良いでしょう。

特に「生酒」「生貯蔵酒」「生詰」タイプの日本酒は必ず低温で保存しましょう。

多くの日本酒は、出荷後に化学反応を起こさないために、高温によって微生物の動きを止めるための「火入れ」と呼ばれるプロセスがあります。一方、生酒では火入れは行われません。つまり生酒は、微生物の働きが活発化して酒質の悪化が起こりやすいのです。(※「火入れ酒」は火入れ回数が2回だが、「生貯蔵酒」「生詰」は火入れ回数が1回。)

酸化の予防法

そもそも日本酒が空気中の酸素に触れる原因は、栓を開けたからです。よって大前提として、開栓後は日本酒の酸化がすすむ前に、できるだけ早く飲みきってしまいましょう。

少しでも長持ちさせたい場合は、ワインセーバーのように空気を抜いて酸化を防ぐグッズを応用することをおすすめします。しかしながら、一度酸素に触れてしまうと酸化を防ぐのは難しいです。開栓したら長くても2週間以内に飲みきることを私はおすすめしています。

紫外線から日本酒を守る

日本酒を紫外線から避けるためには、暗い場所で保管するというのが最も良い保存方法となります。

そのようなスペースがご自宅にない方は、新聞紙をグルグル巻きにするだけでも光を防ぐことができます。また、ボトルの色にも注意しましょう。黒色や茶色のボトル瓶は光を透過させにくいのですが、透明だったり青色は光を透過しやすくなっています。そのため、後者のボトルの場合はより光に注意して取り扱いましょう。

まとめ

日本酒はとてもデリケートなお酒です。

本来ならば日本酒専用の冷蔵庫などを使って保存するのがベストですが、一般的なご自宅では無理もあるでしょう。その場合は今回お伝えしたような方法を実践していただき、日本酒を美味しく飲めるよう適切に保管しましょう。

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