2024.01
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定番酒への愛を熱く語る - 「上撰 白鶴 生貯蔵酒」白鶴酒造(兵庫県)
近年、期間限定商品が目まぐるしくリリースされ、日本酒ファンにとっては情報や流行を追うのも楽しみのひとつとなっています。一方で、その酒蔵が看板商品としている「定番酒」を飲む機会は少なくなりがちです。
定番酒とは、その酒蔵の思想を体現する看板商品であり、それゆえにロングセラーとして君臨しています。限定商品をコンプリートするのもいいけれど、毎日飲みたくなるような定番商品への愛も広めたい! そんな想いからスタートしたのが、こちらの「定番酒への愛を熱く語る」シリーズです。
1984年、搾りたての味わいを閉じ込めた一度火入れの日本酒として、全国にリリースされた白鶴酒造「上撰 白鶴 生貯蔵酒」。幾たびかのリニューアルを超えて、今もスーパーマーケットやコンビニエンスストアの冷蔵棚で見かける定番酒となっています。
この「上撰 白鶴 生貯蔵酒」を「生ちょ(なまちょ)」と呼んで愛するもとじいさんに、長年寄り添い続けるその魅力を語っていただきました。
四季の料理のそばに、いつも「生ちょ」
「生ちょ」こと「上撰 白鶴 生貯蔵酒」を飲み始めたのがいつだったかははっきり覚えていませんが、気づいたら居酒屋で飲むようになっていました。おそらく、成人になってすぐだとは思うのですが、そういった意味では、物心ついた時からそばにいる幼馴染みたいなものだと思います。
味よし、キレ良し、料理との相性よし。このお酒の魅力は、その懐の大きさと深さにつきます。
食事で四季を感じたいときは、特にその実力が発揮されます。冬にこたつで鍋もいいですし、春には山菜の天ぷら。夏の夕暮れ時に、冷やしキュウリやトマトでキュっとやってもいいし、秋はやっぱりジュゥっと焼けた秋刀魚と一緒に!
逆に、ほかのお酒を飲むのは、日本酒単体で四季を味わいたいときが多いです。春の新酒、夏酒、ひやおろしなど、お酒で四季を感じるのも楽しいですよね。
クラッシュアイスや柑橘と、気軽に楽しむ
このように、どんな季節に、どんな料理と合わせても美味しい「生ちょ」ですが、ひとつ選ぶとすれば、やはり居酒屋やお寿司屋さんで海鮮を食べるときでしょう。
日本全国津々浦々の海産物のそばには、キリッと冷えた生ちょ。繊細な白身や貝の香りを崩すことはなく味わえ、旨味と脂の多いトロやアナゴなどに合わせてもスッと舌を洗ってくれる。 もちろん、単品でも飽きることなく飲み続けられ、お皿が空いてからも場をつないでくれる。 僕と生ちょは、まるで長年連れ添った老夫婦かのようです。
生ちょをおすすめしたいのは、お酒を飲むすべての人!……は言い過ぎですが、お酒を飲み始めたばかりの人に飲んでほしいなと思います。白鶴酒造さんは、公式HPでも、クラッシュアイスを入れたり、冷凍庫に入れてみぞれ酒にしたり、ライムやレモンをしぼったりとさまざまな飲み方を提案されているので、必ず好みの飲み方が見つかるはずです。
そして、何より日本の食文化に合う! 漬物と生ちょ! 刺身と生ちょ! 天ぷらと生ちょ! 照り焼きと生ちょ!
40周年を迎える生ちょへ
1984年発売で、今年で40周年を迎えようとする超定番酒ながら、2021年に白鶴独自酵母「しずく酵母」を採用するなど、進化を止めない生ちょ。
瓶の形と容量も素晴らしい。片手で持てる300mlで、口径が広く、うっすら汗をかいた瓶も美しい。何度も注げるたくましさがあり、友人と最初だけ注ぎ合って、あとは手酌なんていうのもいい。 そんな瓶から始まり、飲み方、味、香りに至るまで、定番酒としての王道たる所以があります。
白鶴さん、本当にいつもありがとうございます。この生ちょが本年40周年を迎えるということで、同年代としてうれしく思います。幼馴染から、老夫婦へ。これからも良きパートナーとして、よろしくお願いします。
【シリーズ:定番酒への愛を熱く語る】
会社員 河島泰斗(わっしー):「群馬泉 山廃本醸造」島岡酒造(群馬県)
SAKEジャーナリスト 木村咲貴:「黒松剣菱」剣菱酒造(兵庫県)
燗酒好きのアビスパ福岡サポーター ぺるの:「玉櫻 純米 五百万石」玉櫻酒造(島根県)
「定番酒への愛を熱く語る」シリーズの記事一覧はコチラ
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