定番酒への愛を語る:「澤乃井 純米本地酒」小澤酒造(東京都)

2024.02

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定番酒への愛を語る:「澤乃井 純米本地酒」小澤酒造(東京都)

酒スト編集部  |  定番酒への愛を熱く語る

近年、新商品が次々とリリースされている日本酒。ファンとしては、お気に入りの酒蔵・銘柄の商品はすべて追いかけたいものですが、目まぐるしく更新される商品情報をすべて追いかけるのは、楽しくも根気の必要な作業です。

そこで、日本酒好きのみなさんに提案したいのが、「定番酒」という楽しみ方。定番酒とは、その酒蔵の思想を体現する看板商品であり、だからこそロングセラーとして君臨しています。限定商品をコンプリートするのもいいけれど、毎日の晩酌で飲みたくなる定番酒の良さを改めて感じてほしい! というアツイ想いからスタートしたのが、「定番酒への愛を熱く語る」シリーズです。

今回は、都内の酒販店に勤めるぞぬさんが、東京都青梅市・小澤酒造の「澤乃井 純米本地酒」について語ってくれました。

好みが変わってから気づいた地酒の魅力

2017年、小澤酒造の見学ツアーに参加したあと、唎酒処でこのお酒に出会いました。当時はフルーティーな日本酒がいちばんの好みだったので、「お手頃価格な日本酒によくある味わいなのかな」という印象を受けました。

ところが数年後、燗酒や旨味たっぷりな日本酒が好きになったときに再会して、このお酒への印象が一変します。燗酒にしないと飲みにくいわけでもなく、常温で保管してもまったく問題なく、いつでも楽しめる気軽な美味しさに驚きました。

ちょっとだけ良いお酒を飲みたい時に

このお酒の何よりの魅力は、東京で最も知名度がある銘柄が、「これが東京の地酒だ」と本気でアピールしているところでしょう。私が東京の多摩地区出身ということもありますが、全国から集まるさまざまな日本酒を飲みながらも、時折このお酒に帰ってくることで、「地元東京のお酒もやっぱり良いな」と改めて感じることができています。

飲みたくなるのは、今日は何を飲もうか迷って、結局ピンとくるものがなかったとき。仕事でお酒の味わいに向き合う場面が多いため、ほかのお酒を飲むときは、気になった商品を購入して「どんな味か、どのような特徴を持っているのか」などを真剣にテイスティングしてしまいます。

家でオフのモードでお酒を飲むときは、合わせる料理は特に気にせずお酒だけで飲むことが多いので、澤乃井 純米本地酒のような「そのままでもずっと飲めて、料理とも無難に合ってくれる」というのは自分に合っているように思います。 冷酒で飲むか常温で飲むかは、その時の気分で変えています。ズボラだけどちょっとだけ良いお酒を飲みたい、という場面にはピッタリです。

東京酒の良さを教えてくれる一本

このお酒はもしかしたら、皆さんの地元にあるさまざまな定番のお酒と、そこまで大きな違いはないのかもしれません。昨今の純米吟醸酒ブームのなかでは、このお酒のようなクラシックともいえる味わいは、あまり選ばれにくい酒質であることは確かです。

しかし、東京にも江戸前の多様な料理や、練馬や多摩地方などで栽培されている野菜などを用いた郷土料理がたくさんあります。そういった東京ならではの和の料理に触れるときや、東京都民の人々には一度是非飲んでみてほしい一本です。 フルーティーなお酒が好きだけど、そうじゃない味わいの日本酒も試してみたいという方にもオススメしたいですね。

澤乃井は、澤乃井 純米本地酒のようなクラシックな味わいのほかにも、フルーティーな香りのあるものから長期熟成古酒まで幅広く造られているので、見かけたら是非飲んでみてください。蔵見学もよくおこなっているので、日帰り旅行ついでに唎酒処で飲み比べもオススメですよ!

八王子に新しい酒蔵が誕生し、これからまた東京の日本酒が盛り上がってくると思うので、澤乃井さんにも今後のご活躍を期待しています!

ぞぬ
町田出身、東京在住。都内酒販店の店員。
20代前半で日本酒に目覚めたことで、公務員職から日本酒の世界へ飛び込みました。「そこに目をつけるんだ」と思われるような目線から発信をしていきたいと思っています。
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【シリーズ:定番酒への愛を熱く語る】
SAKEジャーナリスト 木村咲貴:「黒松剣菱」剣菱酒造(兵庫県)

燗酒好きのアビスパ福岡サポーター ぺるの:「玉櫻 純米 五百万石」玉櫻酒造(島根県)

居酒屋ライマー もとじい:「上撰 白鶴 生貯蔵酒」白鶴酒造(兵庫県)

「定番酒への愛を熱く語る」シリーズの記事一覧はコチラ

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