そもそも日本酒とは何か?他のお酒とどう違う?

日本酒はどのようなお酒であるかご存知でしょうか?他のお酒と比較してどのように違うのでしょうか?

例えば、日本酒と焼酎は無色透明なものが多く見た目はとても似ています。日本酒は米から作られているので、芋焼酎やシソ焼酎であれば原料が違うのは明らかですが、米焼酎とは何が違うのでしょうか?

日本酒とは一体どのようなお酒なのか見ていきましょう。

日本酒の定義

テクニカルな話になりますが、「酒税法」というお酒と税金に関することを定めた法律の中で、日本酒がどういうものか定められています。

細かい部分は色々あるのですが、以下の条件を満たしたお酒は日本酒と名乗ることができます。

  1. 米、米麹、水を原料として使うこと
  2. アルコール度数が22%未満であること
  3. こすこと(ろ過すること)
  4. 醸造アルコール、糖類、調味料などの添加物の合計が米の重量を超えないこと

3.で書かれている「こす」とはもろみをろ過して日本酒と酒粕に分けることを意味しています。日本酒の製造過程において「上槽」でこの作業が行われます。

参考:日本酒はどのように作られているか?

4.の「添加物の合計が米の重量を超えないこと」について、純米以外の日本酒では香りや味わいを調整することを目的に、醸造アルコールなどの添加が行われます。第二次世界大戦中は、米の価格が高騰したことにより、添加物を使って三倍増醸酒(三増酒)という原料である米の重量の3倍までお酒を生成することが流行でした。現在は、日本酒を名乗るためには三増酒は認められておらず(添加物が米の重量を超えるため)、約2倍までの増醸酒であれば可能ということになっています。

参考:アル添は悪?日本酒の「醸造アルコール」を正しく理解しよう

お酒の分類

お酒は製法という観点から、「醸造酒」「蒸留酒」「混成酒」の3つに大きく分けることができます。日本酒とは何かを理解する上で重要なので見ていきましょう。

醸造酒

醸造酒とは、米、麦、トウモロコシなどの穀類、ぶどうやリンゴなどの果物類をアルコール発酵させて造られたお酒のことをいいます。ほとんどの醸造酒は、アルコール発酵させた後、ろ過したものが製品となることが多いです。

日本酒は米をアルコール発酵させたお酒なので醸造酒ということになります。他の醸造酒の代表例としては、ぶどうを原料とするワイン、麦芽から造られるビールなどが挙げられます。

醸造酒という造りの特性上、アルコール度数は5~20度程度のものが多いです。

蒸留酒

蒸留酒とは、アルコール発酵させて造った醸造酒を蒸留することによって生成したお酒のことをいいます。

蒸留とは、液体を熱して蒸発させ、その後蒸気を冷やすことで、沸点の差を利用して液体を分離する操作です。お酒の場合、アルコールの沸点は約78度、水は100度ですので、100度以上に熱して蒸発させたあと、100度あたりまで冷却すると水は液体化し、アルコールは蒸気のままの状態です。この蒸気は水分が取り除かれアルコール濃度が高く、液体化することで高い純度のアルコールを得ることができます。このような操作を「蒸留」と呼び、生成されるお酒を蒸留酒と呼びます。

代表的なものだと、米をアルコール発酵させた醸造酒(日本酒)を蒸留することで得られる米焼酎や、サツマイモを材料とした芋焼酎、トウモロコシを原料としたウィスキーなどが挙げられます。

蒸留酒は、醸造酒から高い純度のアルコールを抽出しているので、アルコール度数は20~50度あるいはそれ以上とアルコール度数が高いことが特徴です。

混成酒

混成酒とは、上記の醸造酒や蒸留酒に甘味料や調味料、植物や果実から抽出した香味などを加えたお酒です。

代表例に、梅酒、カシスなどのリキュール類や、みりんなどが挙げられます。

日本酒と焼酎、ほかのお酒との違い

以上より、日本酒と焼酎の大きな違いとして、日本酒は醸造酒であり、焼酎は蒸留酒であるという点が挙げられます。特に米焼酎は、日本酒のもろみを蒸留して造られるお酒になります。

日本酒と米焼酎以外のお酒の違いについては、そもそも米焼酎以外のお酒が米以外の原料から造られているため、原料の違いも挙げることができるでしょう。

以下の表は数あるお酒の中でもほんの一例ですが、原料ごとに醸造酒、蒸留酒にあたるお酒を紹介したものです。

原料 醸造酒 蒸留酒
日本酒 米焼酎
ぶどう ワイン ブランデー
麦(麦芽含む) ビール 麦焼酎
ウィスキー
ジン
サトウキビ n.a. 黒糖焼酎
ラム
さつまいも n.a. 芋焼酎
リュウゼツラン プルケ テキーラ
りんご シードル カルヴァドス

まとめ

以上、日本酒というお酒を名乗るにはどのような条件を満たさなければならないのか、そして米焼酎をはじめとする他のお酒とどのような違いがあるのかをご紹介いたしました。

知らないお酒に出会ったら、そのお酒はどのようなお酒なのか、どのような特徴を持っているのかなど調べてみると、お酒の世界が広がって面白いと思います。

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